イタリアンのコースの構成と代表的なメニュー


イタリアンのコースは9つの構成から成ります。料理を最大限楽しむため、それぞれが役目を持っています。実際には省略されたり、まとめられたりすることが多いのですが、今回は9つ全て詳しく解説していきます。イメージしやすいようそれぞれのメニューの例も紹介しますので、ぜひ読んでみてください。

-イタリアンのフルコースの構成

イタリアンのフルコースは以下の9つから構成されます。

・アペリティーボ

・ストゥッツィーノ

・アンティパスト

・プリモ・ピアット

・セコンド・ピアット

・コントルノ

・フォルマッジィ

・ドルチェ

・ディジェスティーヴォ

冒頭でも書いた通り、実際にイタリアンレストランで食べる場合には、いくつかは省略されることは少なくありません。むしろ、9つ全てが提供されるレストランの方が珍しいのではないでしょうか。

それぞれの料理は、テーブルに揃うことはなく、上記の順番から運ばれてきます。こちらから指示をしない限り、原則として食べ終わるまで次の料理は運ばれてきません。

-アペリティーボ

・アペリティーボとは

アペリティーボとは、食前酒を指します。食事前に胃を刺激することで、次に運ばれてくるストゥッツィーノの消化を良くすることが目的とされています。アペリティーボに関しては注文する決まりはありませんが、アルコールを飲める方や、フルコースを経験したい方はぜひ頼んでみてください。

・アペリティーボのメニュー

先述したとおりアペリティーボは、軽く胃を刺激することを目的です。日本では胃を傷めるからと、空腹時にお酒を飲むのは避けられる傾向がありますが、欧米では食前酒は一般的に嗜まれるものです。

飲まれているのは主に、シャンパンや発泡性ワインといったスパークリングワインや、柑橘系の果汁で割ったベリーニ・ミモザといった、口当たりの軽いカクテルです。

-ストゥッツィーノ

・ストゥッツィーノとは

ストゥッツィーノは、食前酒に合わせるおつまみです。日本では出て来ない場合もありますが、本格的なレストランなら、アペリティーボを注文する時にストゥッツィーノが無いか訪ねてみてもいいかもしれませんね。

・ストゥッツィーノのメニュー

ストゥッツィーノのメニューとして、バゲットにオリーブオイルを塗って焼いたブルスケッタや、グリッシーニという細長いパンなどがあげられます。

-アンティパスト

・アンティパストとは

アンティパストとは前菜のことで、料理の前という意味があります。イタリアンではメイン料理を中心に考えるので、メインが出るまでの腹ごなしとしてアンティパストを楽しむという習慣があるのです。あくまで前菜ですので、メニューはいたってシンプルなものが多いのです。

・アンティパストのメニュー

先述したとおりアンティパストは、メイン料理が出てくるまでの腹ごしらえです。そのためメニューはサラダや生ハムメロン、カルパッチョといった、切って盛るだけだったり、作りおきできたりといった簡単なものが中心になります。

またアンティパストには、冷たい前菜と温かい前菜の2種類あり、冷たい前菜→温かい前菜と移ります。温かい前菜にはメレンゲを混ぜた衣で揚げたフリッターなどが一般的です。

-プリモ・ピアット

・プリモ・ピアットとは

プリモ・ピアットは第一のお皿を意味します。アンティパストも料理に違いありませんが、あくまで腹ごしらえが目的です。つまりアンティパストで軽く空腹を満たし、プリモ・ピアットから本当の食事が始まる、というわけです。

・プリモ・ピアットのメニュー

プリモ・ピアットは、ペンネやニョッキなどのパスタやリゾットなどの炭水化物や、ミネストローネなどのスープ料理が基本です。また上記の複数が提供される場合もありますが、たいていはスープ→パスタ、もしくはパスタ→リゾットの順番にて出されます。たとえばカルボナーラなど、クリーム系の重いパスタの前には、さっぱりした口当たりのリゾットが提供される、といった具合です。軽い順番から提供されると覚えておくと良いでしょう。

-セコンド・ピアット

・セコンド・ピアットとは

プリモ・ピアットが第一のお皿であるのに対し、セコンド・ピアットは第二のお皿を意味します。英語のセカンドと発音も近いので、想像できた方も多いかもしれませんね。セコンド・ピアットは、コースにおけるメインディッシュに位置づけられています。なお日本では、セコンド・ピアットの量を減らすかわりに、皿数を増やすお店が多い傾向があります。

・セコンド・ピアットのメニュー

セコンド・ピアットはお肉もしくはお魚の料理が基本になります。お肉であれば子牛や子羊、お魚の場合は、メカジキや鯛のグリル、アクアパッツァなどが提供されます。セコンド・ピアットもプリモ・ピアットと同じく、両方を提供されることもあり、やはり軽い順にお魚料理→お肉料理の順番で出されます。その際お口直しとして、シャーベットを提供されることもあります。

-コントルノ

・コントルノとは

コントルノは野菜料理がメインであり、副菜に位置づけられます。日本では、セコンド・ピアットと一緒に盛られて提供されるケースが多いです。

・コントルノのメニュー

コントルノのメニューは主に、ほうれん草やアスパラ、にんじんのソテー・じゃがいも料理・ルッコラをメインにしたサラダなどがあげられます。

-フォルマッジィ

・フォルマッジィとは

フォルマッジィはチーズの事であり、次のドルチェを食べる前の、消化剤の役目を持っています。

・フォルマッジィのメニュー

主な種類はリコッタチーズ・パルメザンチーズ・モッツアレラチーズ等です。コントルノを食べた後、自分でチーズを選んで食べることが一般的です。

-ドルチェ

・ドルチェとは

ご存知の方も多いかと思いますが、ドルチェはデザートのことです。メイン料理を食べ終わった後に注文します。なお満腹状態であれば、代わりに食後酒を注文することも可能です。またドルチェにあわせてコーヒー(主にエスプレッソ)を飲むことが多いです。

・ドルチェのメニュー

ドルチェのメニューは主に、タルトやティラミスなどの菓子類、フルーツの盛り合わせやマチェドニア・シャーベットといった、総じて甘みの強いものが多いことが特徴です。

-ディジェスティーヴォ

・ディジェスティーヴォとは

食後酒のことです。アルコール度数の高いもの飲んで、食べたものを消化することを促してくれます。なおあくまで消化を補佐する目的ですので、飲み過ぎは控えましょう。日本ではあまり認知度は高くないですが、興味のある方はぜひディジェスティーヴォまで楽しんでみてください。

・ディジェスティーヴォのメニュー

ワインを作ったあとに残るぶどうを絞って蒸留するグラッパ、レモンを使用したリキュールのレモンチェッロなどがあげられます。ドルチェが重いと感じた場合、代わりを兼ねてアンズを使ったアマレットが飲まれることもあります。

-まとめ

イタリアンのコースにおける構成は、料理を楽しむためにそれぞれ導線の役目を果たしています。実際には省略されるものも多いものも、本来不要なものはありません。ご興味のある方は、9つ全てが揃ったイタリアンのフルコースを、ぜひ体験してみてください。