イタリアンには、これは外せない!と言われる定番の肉料理があることをご存知ですか?肉料理はたくさんありますが、その中でも抑えるべき定番の肉料理5つをレシピと合わせてご紹介します。是非とも参考にしていただきたいです。
―カチャトーラ
カチャトーラは、イタリアン通にとって外せない肉料理の1つです。イタリア語で狩人を意味し、もともとは狩人が狩りの後に食べる料理でした。イタリアでカチャトーラは、チキンもしくはウサギ肉を使うことが一般的です。
香味野菜にトマトソース、白ワインやエキストラヴァージンオイルといった、イタリアン定番の材料と一緒に煮込んで作ります。なお、白ワインを赤ワインに替えても美味しさが損なわれることはありません。またチキンは、骨付きを使うことで、煮込んだ際にしっかりと味がしみこみます。
カチャトーラの作り方(4人分)
1…骨付もも肉(1kg)をぶつ切りにし、鍋にオリーブオイルを敷いて皮側から焼きます。焼き色がついたら裏返して鍋から出します。
2…1の鍋に無塩バター(10g)を入れ、にんじん、たまねぎ、セロリ(各1個ずつ)をみじん切りにして入れ、塩適量を振って炒めます。
3…みじん切りした野菜がしんなりしたら、1で焼いた肉を鍋に戻して合わせます。その後白ワイン(200cc)を加え、沸騰したらトマトの水煮缶(400g)を入れます。この際、セージとローズマリー(各適量)も入れます。
4…25分ほど中火で煮込み、ソースに粘度がでてきて沸騰したら完成です。
―スペッツァティーノ
スペッツァティーノは、角切りした肉の煮込み料理全般を指します。牛、豚、猪、羊、鳥、うさぎなど、さまざまな種類の肉が使われている料理です。
味付けもさまざまです。トマトソースとワインで煮込む時もあれば、香味野菜と水、ハーブのみといった、シンプルに煮込む場合もあります。ワインを使う際、白ワインと赤ワインどちらを使っても美味しく食べることができます。
なお、作ってすぐに食べるより、冷蔵庫で3日ほど寝かすことをオススメします。そうすることで、肉にソースがしみこんでより美味しく食べることが可能です。
スペッツァティーノとワインを一緒に楽しむ場合は、使ったワインと同じワインを合わせると、一層美味しくいただけます。
スペッツァティーノの作り方(4人分)
1…深めの鍋に、みじん切りにした玉ねぎ(2個)とオリーブオイル(適量)を入れて炒めます。
2…シチュー用牛ほほ肉または牛すね肉(800g)を鍋に入れて炒め、小さくカットしたにんじん(4本)とセロリ(7本)を加えて更に炒めます。最後に刻んだイタリアンパセリ(多め)を入れます。
3…肉に火が通ったら白ワイン(600ml)を入れ、アルコール分が飛ぶまで混ぜて火を通します。その後材料が浸るほどたっぷり水を入れます。
4…沸騰したら弱火にし、軽く蓋をします(少しずらしてください)。途中で塩コショウ(適量)を加え、2時間ほど煮込みます。
5…最後に刻んだイタリアンパセリ(多め)を再び入れて完成です。
―トリッパのトマト煮込み
トリッパのトマト煮込みは、フィレンツェの伝統料理です。メイン料理にもなり、つまみやソース、サンドイッチなど多彩な食べ方が特徴的な肉料理でもあります。
トリッパとは胃袋のことを指します。牛や羊などは胃袋が4つありますが、主にトリッパのトマト煮込みでは「2番目の胃袋」と呼ばれている、ハチノスという部位を使って調理します。
香味野菜トマトソースで煮込んだハチノスは、臭みがなく独特のうまみがあります。そのため、もつが苦手な方でも抵抗なく食べることが可能です。パスタとの相性は抜群で、食べきれなくて残ってしまった場合はパスタとからめて食べることをオススメします。
トリッパのトマト煮込みの作り方(4人分)
1…ハチノス(1kg)を水で洗って汚れを落とし、深めの鍋に入れて沸騰させます。
2…茹でたハチノスを短冊状にカットしておきます。
3…鍋にオリーブオイル(適量)とカットしたにんにく6片を炒めて香りを出します。
4…みじん切りした玉ねぎ(2個)とにんじん(1本)とセロリ(2本)を入れてしんなりするまで炒めます。
5…鍋にハチノス、トマトソース(2缶)、唐辛子(1本)コンソメの素(3個)、ローズマリー、オレガノ(適量)、ローリエ(2枚)、タイム(適量)、水700ccを入れて沸騰させます。
6…沸騰したら弱火にして2時間煮込み、粉チーズ(大さじ3杯)を加え、さらに20分煮込みます。※焦げないようにたまにかき混ぜます。
7…水分がなくなるまで煮込み、塩コショウで味を整えたら完成です。
―タリアータ
タリアータは、イタリアを代表する肉料理です。赤身品種の牛サーロインに、にんにくとハーブを効かせて焼き上げます。見た目の豪勢さに加え、香ばしい香りが食欲をそそる特徴がある、フィレンツェの伝統料理です。
本来は、焼きあがったタリアータにオリーブをたっぷりかけて食べるため、一見するとガッツリ系の料理です。一方、削ったパルミジャーノ・レッジャーノ、バルサミコソースをかけて、サッパリとしたサラダ風にして食べるスタイルも人気があります。タリアータには、赤ワインと一緒に食べることをオススメします。
タリアータの作り方(4人分)
※赤身牛サーロイン(600g)は、焼く一時間前に冷蔵庫から出して室温に戻しておきましょう。にんにく(1片)はカットし、ローズマリーは葉を外しておきます。フライパンは2つ用意します。
1…フライパンにオリーブオイル(適量)を入れ弱火で熱し、にんにくとローズマリーを入れて炒めます。
2…もう1つのフライパンにオリーブオイルを敷いて、肉の両面を強火で焼きます。なお焼き目をつけることが目的のため、1分程度にとどめます。
3…肉に焼き色がついたら1のフライパンに移し、中火で2分ほど炒めます。
4…肉が焼けたら取り出し、アルミをかぶせて10分置き、予熱で火を通します。
5…10分置いたら薄くスライスし、塩コショウ(適量)をして皿に乗せます。
6…皿に並べた肉に、フライパンに残っているオリーブオイルをかけ、レモンを絞ったら完成です。
―ポルペッテ
ポルペッテは、ゴルフボール大のミートボールまたはハンバーグのひき肉料理を指します。その見た目は、日本の子どもが好んで食べているミートボールに似ています。しかしポルペッテは、リストランテのような格式高いお店でも提供されている、れっきとしたイタリアンです。残ったソースはパンですくっても美味しいですし、パスタにもよく合います。
ポルペッテの作り方(4人分)
1…深めのボウルを用意し、合いびき肉(500g)、卵(2個)、パン粉(50g)、みじん切りにした玉ねぎ(1個)、にんにく(半個)、イタリアンパセリ(適量)、パルミジャーノ・レッジャーノ(30g)全てを入れて混ぜ合わせます。
2…塩コショウ(適量)で味を整え、ゴルフボール大に丸めます。
3…フライパンにオリーブオイル(適量)を入れて丸めたポルペッテを炒めます。途中で白ワインをまわし入れます。
4…ワインのアルコール分を強火で飛ばしたら、中火で焦げ目がつくまで火を通します。
5…バター(適量)を加えて好みの味にしたら完成です。
―まとめ
イタリアンというと、野菜や魚介といった南イタリア料理のイメージが強いため、肉料理が多くて驚いた方もいるかもしれません。今回ご紹介した肉料理を抑えておけば、立派なイタリアン通になること間違いなしです。