日別アーカイブ: 2017年12月25日

イタリアンの定番肉料理5選

イタリアンには、これは外せない!と言われる定番の肉料理があることをご存知ですか?肉料理はたくさんありますが、その中でも抑えるべき定番の肉料理5つをレシピと合わせてご紹介します。是非とも参考にしていただきたいです。

 

―カチャトーラ

カチャトーラは、イタリアン通にとって外せない肉料理の1つです。イタリア語で狩人を意味し、もともとは狩人が狩りの後に食べる料理でした。イタリアでカチャトーラは、チキンもしくはウサギ肉を使うことが一般的です。

 

香味野菜にトマトソース、白ワインやエキストラヴァージンオイルといった、イタリアン定番の材料と一緒に煮込んで作ります。なお、白ワインを赤ワインに替えても美味しさが損なわれることはありません。またチキンは、骨付きを使うことで、煮込んだ際にしっかりと味がしみこみます。

 

カチャトーラの作り方(4人分)

1…骨付もも肉(1kg)をぶつ切りにし、鍋にオリーブオイルを敷いて皮側から焼きます。焼き色がついたら裏返して鍋から出します。

2…1の鍋に無塩バター(10g)を入れ、にんじん、たまねぎ、セロリ(各1個ずつ)をみじん切りにして入れ、塩適量を振って炒めます。

3…みじん切りした野菜がしんなりしたら、1で焼いた肉を鍋に戻して合わせます。その後白ワイン(200cc)を加え、沸騰したらトマトの水煮缶(400g)を入れます。この際、セージとローズマリー(各適量)も入れます。

4…25分ほど中火で煮込み、ソースに粘度がでてきて沸騰したら完成です。

 

―スペッツァティーノ

スペッツァティーノは、角切りした肉の煮込み料理全般を指します。牛、豚、猪、羊、鳥、うさぎなど、さまざまな種類の肉が使われている料理です。

 

味付けもさまざまです。トマトソースとワインで煮込む時もあれば、香味野菜と水、ハーブのみといった、シンプルに煮込む場合もあります。ワインを使う際、白ワインと赤ワインどちらを使っても美味しく食べることができます。

 

なお、作ってすぐに食べるより、冷蔵庫で3日ほど寝かすことをオススメします。そうすることで、肉にソースがしみこんでより美味しく食べることが可能です。

 

スペッツァティーノとワインを一緒に楽しむ場合は、使ったワインと同じワインを合わせると、一層美味しくいただけます。

 

スペッツァティーノの作り方(4人分)

1…深めの鍋に、みじん切りにした玉ねぎ(2個)とオリーブオイル(適量)を入れて炒めます。

2…シチュー用牛ほほ肉または牛すね肉(800g)を鍋に入れて炒め、小さくカットしたにんじん(4本)とセロリ(7本)を加えて更に炒めます。最後に刻んだイタリアンパセリ(多め)を入れます。

3…肉に火が通ったら白ワイン(600ml)を入れ、アルコール分が飛ぶまで混ぜて火を通します。その後材料が浸るほどたっぷり水を入れます。

4…沸騰したら弱火にし、軽く蓋をします(少しずらしてください)。途中で塩コショウ(適量)を加え、2時間ほど煮込みます。

5…最後に刻んだイタリアンパセリ(多め)を再び入れて完成です。

 

―トリッパのトマト煮込み

トリッパのトマト煮込みは、フィレンツェの伝統料理です。メイン料理にもなり、つまみやソース、サンドイッチなど多彩な食べ方が特徴的な肉料理でもあります。

 

トリッパとは胃袋のことを指します。牛や羊などは胃袋が4つありますが、主にトリッパのトマト煮込みでは「2番目の胃袋」と呼ばれている、ハチノスという部位を使って調理します。

 

香味野菜トマトソースで煮込んだハチノスは、臭みがなく独特のうまみがあります。そのため、もつが苦手な方でも抵抗なく食べることが可能です。パスタとの相性は抜群で、食べきれなくて残ってしまった場合はパスタとからめて食べることをオススメします。

 

トリッパのトマト煮込みの作り方(4人分)

1…ハチノス(1kg)を水で洗って汚れを落とし、深めの鍋に入れて沸騰させます。

2…茹でたハチノスを短冊状にカットしておきます。

3…鍋にオリーブオイル(適量)とカットしたにんにく6片を炒めて香りを出します。

4…みじん切りした玉ねぎ(2個)とにんじん(1本)とセロリ(2本)を入れてしんなりするまで炒めます。

5…鍋にハチノス、トマトソース(2缶)、唐辛子(1本)コンソメの素(3個)、ローズマリー、オレガノ(適量)、ローリエ(2枚)、タイム(適量)、水700ccを入れて沸騰させます。

6…沸騰したら弱火にして2時間煮込み、粉チーズ(大さじ3杯)を加え、さらに20分煮込みます。※焦げないようにたまにかき混ぜます。

7…水分がなくなるまで煮込み、塩コショウで味を整えたら完成です。

 

―タリアータ

タリアータは、イタリアを代表する肉料理です。赤身品種の牛サーロインに、にんにくとハーブを効かせて焼き上げます。見た目の豪勢さに加え、香ばしい香りが食欲をそそる特徴がある、フィレンツェの伝統料理です。

 

本来は、焼きあがったタリアータにオリーブをたっぷりかけて食べるため、一見するとガッツリ系の料理です。一方、削ったパルミジャーノ・レッジャーノ、バルサミコソースをかけて、サッパリとしたサラダ風にして食べるスタイルも人気があります。タリアータには、赤ワインと一緒に食べることをオススメします。

 

タリアータの作り方(4人分)

※赤身牛サーロイン(600g)は、焼く一時間前に冷蔵庫から出して室温に戻しておきましょう。にんにく(1片)はカットし、ローズマリーは葉を外しておきます。フライパンは2つ用意します。

 

1…フライパンにオリーブオイル(適量)を入れ弱火で熱し、にんにくとローズマリーを入れて炒めます。

2…もう1つのフライパンにオリーブオイルを敷いて、肉の両面を強火で焼きます。なお焼き目をつけることが目的のため、1分程度にとどめます。

3…肉に焼き色がついたら1のフライパンに移し、中火で2分ほど炒めます。

4…肉が焼けたら取り出し、アルミをかぶせて10分置き、予熱で火を通します。

5…10分置いたら薄くスライスし、塩コショウ(適量)をして皿に乗せます。

6…皿に並べた肉に、フライパンに残っているオリーブオイルをかけ、レモンを絞ったら完成です。

 

 

―ポルペッテ

ポルペッテは、ゴルフボール大のミートボールまたはハンバーグのひき肉料理を指します。その見た目は、日本の子どもが好んで食べているミートボールに似ています。しかしポルペッテは、リストランテのような格式高いお店でも提供されている、れっきとしたイタリアンです。残ったソースはパンですくっても美味しいですし、パスタにもよく合います。

 

ポルペッテの作り方(4人分)

1…深めのボウルを用意し、合いびき肉(500g)、卵(2個)、パン粉(50g)、みじん切りにした玉ねぎ(1個)、にんにく(半個)、イタリアンパセリ(適量)、パルミジャーノ・レッジャーノ(30g)全てを入れて混ぜ合わせます。

2…塩コショウ(適量)で味を整え、ゴルフボール大に丸めます。

3…フライパンにオリーブオイル(適量)を入れて丸めたポルペッテを炒めます。途中で白ワインをまわし入れます。

4…ワインのアルコール分を強火で飛ばしたら、中火で焦げ目がつくまで火を通します。

5…バター(適量)を加えて好みの味にしたら完成です。

 

 

―まとめ

イタリアンというと、野菜や魚介といった南イタリア料理のイメージが強いため、肉料理が多くて驚いた方もいるかもしれません。今回ご紹介した肉料理を抑えておけば、立派なイタリアン通になること間違いなしです。

 

イタリアンの定番魚介料理6選

イタリアンには様々な魚介料理が存在します。そのため、「魚介系のイタリアンが食べたい」と言われても、困ってしまうのではないでしょうか。そういったときにもスムーズに食べたいものを提案できるように、イタリアンの定番魚介料理6つをご紹介いたします。

 

―アサリの白ワイン蒸し

日本でも食べられることが多く、もはや説明不要と言っても過言ではないアサリの白ワイン蒸し。イタリアの魚介料理においても、定番の1つにあげられます。余計な味付けは必要なく、最もシンプルに、白ワイン蒸しでいただくことが鉄板です。残ったスープは、パンにつけて食べることをオススメします。

 

アサリの白ワイン蒸しの作り方(4人分)

※本来はアラヌノメという品種を使いますが、普通に販売しているアサリでも問題ありません。あらかじめアサリは砂抜きして洗っておきます。

 

1…深めの鍋にオリーブオイル(大さじ3杯)と、カットしたにんにく(1片)を入れて弱火で炒めます。

2…にんにくの香りが漂ってきたら、アサリをゆっくり鍋に入れ、白ワイン(1カップ)と刻んだイタリアンパセリ(3枝)を加えて蓋をし、中火で1分ほど蒸し焼きにします。アサリの殻が開いたら火を止めます。なお、アサリの大きさによって多少時間が異なりますので、調整しましょう。

3…蒸し焼きでしみでたスープと共にアサリをお皿に乗せ、コショウとレモン汁(適量)を振ったら完成です。

 

―マグロのたたき スコッタート

スコッタートはイタリア語で「やけどをする」という意味を持っています。文字通り、たたきですからマグロを炙って調理することが特徴です。

 

マグロはイタリアでも馴染みのある食材で、毎年5月頃から大規模なマグロ漁が開催されたり、マグロ料理のコンテストが開催されたりするほどの国民食材です。

 

しかし、たたきなどの刺し身は、本来イタリアンではありません。近年における世界的な和食ブームにあやかって創られた、新しいイタリア料理です。そして一般的には、身が白く変色するまで酢に漬け込む特徴がありましたが、現在では軽く漬けた調理法が人気となっています。

 

マグロのたたき スコッタートの作り方(4人分)

1…刺身用マグロの柵(200g)をそのまま水洗いし、キッチンペーパーで水気を取り、にんにく(4分の1)を包丁の腹で押しつぶします。レモン(4分の1)をクシ型にカットし、イタリアンパセリ(5枚)は葉をみじん切りにします。

2…フライパンにオリーブオイル(適量)を敷いて弱火で炒め、にんにくを入れます。

3…にんにくの香りが出たらマグロの柵を入れ、中火で軽く焼き目を入れます。

4…焼き色がついたら取り出して粗熱を取り、厚めにカットし、皿に並べたうえでオリーブオイルをかけて冷蔵庫で冷やします。

5…冷えたら取り出し、岩塩とコショウ(各適量)で味付けし、ベビーリーフとパセリ(各適量)を添えます。食べる直前にレモン汁(適量)をかけたら完成です。

 

―タコのサルサヴェルデ添え パドヴァ風

ヴェネド州のパドヴァ地方では屋台の名物料理としてよく知られています。柔らかく茹でたタコに、イタリアンパセリ、オリーブオイルベースのサルサヴェルデ、レモンをかけることが定番です。

 

この料理の決め手は、サルサヴェルデ。さっぱりした風味はワインだけでなく、キンキンに冷えたビールとの相性も抜群です。

 

タコのサルサヴェルデ添え パドヴァ風の作り方(4人分)

1…イタリアンパセリの葉(30枝)とにんにく(2分の1)を粗くきざみ、アンチョビ(1尾)、塩漬けケイパー(大さじ1杯)、オリーブオイル(大さじ4杯)、ワインビネガー(小さじ1杯)、塩コショウ(少々)。以上の材料全てをペースト状になるまで混ぜてサルサヴェルデを作ります。

2…深めの鍋にたっぷりの水を入れ、蒸しマダコ(400g)、塩(少々)、皮付きのレモン(半個)、ローリエ(1枚)、残ったイタリアンパセリの茎を入れて蓋をして、弱火で1時間茹でます。

3…熱いうちに一口大にカットし、先ほどのサルサヴェルデをかけ、レモン(半個)を絞れば完成です。

 

 

―ズッパ・ディ・ペッシェ

ズッパ・ディ・ペッシェは、一見すると高級料理に見えますが、魚のごった煮です。イタリアでは、漁師が売れ残った魚を使って作られている料理です。ズッパ・ディ・ペッシェの特徴は、魚をトマトと白ワインで煮るだけのシンプルなことがあげられます。寒い季節には白ワインと一緒にいただくことで、身体があたたまります。

 

ズッパ・ディ・ペッシェの作り方(4人分)

1…玉ねぎ、セロリ(各1個)、にんじん(半分)を粗く刻みます。白身魚(4切れ、種類は好みで)は、一口大にカットして熱湯を懸けておきます。またホタテ貝柱刺し身用(8個)は半分に切っておきます。

2…深めの鍋にオリーブオイル(適量)、細くカットしたにんにく(1片)、たかのつめ(1本)を入れて火にかけます。

3…にんにくの香りが立ったら、刻んでおいた野菜、ローリエ(1枚)を入れて蓋をして、弱火で10分蒸し焼きにします。

4…野菜がしんなりしたら白ワイン(100cc)を入れ、白身魚とイカ(200g)あさり(300g)、トマトの水煮缶(200cc)を入れて強火で沸騰させます。

5…一度沸騰したら中火で5分煮込み、あさりの口が開いたら更に弱火で5分煮込みます。

6…火が通ったら塩コショウ(少々)で味を整え、器に盛ってフレッシュバジルの葉(適量)を散らして完成です。

 

―ティエッラ

ティエッラは、プーリア州バーリ発祥の名物料理です。イタリア語で天板を意味し、方言で「テリア」とも呼ばれています。ティエッラは、「ムール貝の数の多さで貧富がわかる」と、少々きつめのジョークがあることで知られています。

 

ティエッラの作り方(4人分)

※ムール貝が苦手な場合、アサリとイカで代用することも可能です。またペコリーノ・カネストラートは、パルミジャーノ・レッジャーノで代用できます。

 

1…硬質小麦(100g)を1時間水に浸しておきます。

2…パンのクラム部分(50g)とおろしたペコリーノ・カネストラート(30g)、刻んだイタリアンパセリ(1房)、塩コショウ(少々)を混ぜます。

3…皮をむいたじゃがいも(300g)を輪切りにし、トマト(2個)、ズッキーニ(1本)、玉ねぎ(1個)も輪切りにします。なおムール貝は開いて片側の殻を除去します。

4…オーブン皿に作ったパン粉を少し散らし、エキストラヴァージンオイル(適量)をかけます。皿の上にじゃがいも、ズッキーニ、トマトを置きます。(順番に重ねることが望ましいです)

5…ムール貝を乗せ、水気を切った硬質小麦を散らし、そのうえから更にじゃがいも、トマト、ズッキーニ、玉ねぎを置きます。

6…残りのパン粉、エキストラヴァージンオイルを振りかけ、材料がひたひたになるまで水を加えます。

7…180℃のオーブンにて、水気がなくなるまで50分弱焼いたら完成です。

 

―タコとじゃがいものサラダ

イタリアではタコの消費が多いため、さまざまなタコ料理があります。その中でもタコとじゃがいものサラダは、イタリアでは定番の料理です。とてもシンプルなことが特徴ですが、タコとじゃがいもが、それぞれの旨味を引き立て合う絶品イタリアンです。

 

タコとじゃがいものサラダの作り方(4人分)

1…深めの鍋で、中サイズのタコを1時間30分茹でます。タコがくたくたになるまで茹でることがポイントです。茹で上がったら、皮をむいて好みの大きさにカットします。

2…別に用意した鍋で、じゃがいも(4個)をゆで、やわらかくなったら取り出し、皮を向いて3cmの輪切りにします。

3…ボウルを用意し、タコとじゃがいも、エキストラヴァージンオイル、塩コショウ、イタリアンパセリ(各適量)、レモン汁(1個分)全てを入れて味を整えたら完成です。

 

―まとめ

イタリアンは、魚介が主役と言っても過言ではありません。また、食材そのものの味を重視している傾向にあります。そのためシンプルですから、料理が苦手な方でも作りやすいでしょう。今回の内容を参考に、挑戦してみてはいかがでしょうか。

イタリア料理に欠かせない!定番調味料23選

素材の味を重視するイタリア料理では、その魅力を引き立てるためにさまざまな調味料が用いられています。今回は、本場イタリアでも使われている定番調味料のご紹介ですイタリア料理を作る際の参考となれば幸いです。

 

ーオイル類

エキストラヴァージンオイル

エキストラヴァージンオイルは、イタリア料理には欠かせない調味料です。オリーブの果実を絞ってろ過しているため、豊かな風味が特徴。加熱すると風味が飛んでしまうため、生食に使用することが多く、主にカルパッチョ、サラダ、マリネ、ドレッシングに適しています。

 

ピュア・オリーブオイル

ピュア・オリーブオイルは、精製オリーブオイルにヴァージンオイルをブレンドして、料理しやすい風味に調整したものを指します。クセのない風味が特徴で、エキストラヴァージンオイルよりも日本人の味覚に適しています。加熱して使うことが多く、パスタやフライ、炒め物によく使われます。

 

ーお酒

白ワイン

イタリア料理で白ワインは、調味料の定番にあげられます。そのまま飲むだけでなく、焼き物、炒め物、煮込み料理に至るまで、万能と言っても過言ではない調味料です。

 

赤ワイン

白ワインほど使われることはありませんが、コクのあるソースや、固い肉を煮込む際に欠かかすことはできません。

 

マルサラ酒

マルサラ酒は、シチリア特産のワインです。ワインにアルコールを加えることで、アルコール度数を高めたことが特徴。木樽で作られた豊かな香りを活かし、ティラミスなどの風味付けや、鶏肉料理に用いられています。

 

 

ー乳製品

パルメザンチーズ

パルメザンチーズも、イタリア料理では定番の調味料。安価で長持ちする特徴があり、一般的には「パルミジャーノ・レッジャーノ風」として用いられています。主にサラダや、カルボナーラなどのパスタに使われることが多いです。

 

バター

バターは肉、野菜問わず相性が良く、サラダ、煮込み料理、肉料理、パスタなど、幅広く使われています。特にイタリア北部の地方で多く用いられる傾向があります。

 

ービネガー(酢)

ワインビネガー

ワインビネガーはアルコール発酵させたぶどうに酢酸酢を加え、さらに発酵させてから作られた酢を指し、イタリア料理には欠かせない調味用です。ワインと同じく、赤ワインビネガーと白ワインビネガーの2種類があります。

 

赤ワインビネガーはコクのある深い味わいが特徴で、煮込み料理、肉料理のソースによく使われます。一方、白ワインビネガーは、すっきりとした口当たりの特徴を活かし、魚介類のサラダ、マリネ、ソースに用いられることが多いです。

 

バルサミコ酢

バルサミコ酢は煮詰めたぶどう果汁を熟成させて作る酢です。素材の異なる樽に移し変えて熟成させるため、複雑な香りを持つことが特徴です。サラダの香りつけに使われますが、食酢と混ぜて肉料理のソースに使われたり、デザートの味付けに使われたりもします。

 

ー香草・香辛料・スパイス

イタリアンパセリ

イタリアンパセリは、爽やかな香りと少し苦味のあるハーブで、日本では料理を引き立てる飾りとして認識されています。しかしイタリアでは、サラダの材料として用いられるほか、マリネ、スープなどにも使われ、料理に欠かせません。

 

ローリエ

ローリエは、月桂樹の葉を乾燥させた調味料です。非常に香りが強く、肉の臭みを消す働きがあるため、煮込み料理によく使われます。しかし、長時間煮込むと苦味が出てくるため、取扱には注意が必要。また、ダシやソース、香り付けに用いられる場合もあります。

 

バジル

バジルは、イタリアでバジリコとも呼ばれているハーブの一種。モッツアレラチーズやトマトなど、イタリアンの代表的な食材と相性が良いため、様々な料理に用いられます。

 

ジェノベーゼ

ジェノベーゼはペースト状にしたバジルに、チーズ、松の実、オリーブオイル、黒胡椒を加えた調味料です。イタリア料理では主にパスタやトーストしたパンに使われることが多いです。

 

ローズマリー

ローズマリーは、独特の強い香りが特徴のハーブです。豚肉、羊肉、魚といった、臭いが強い食材の臭みを消すために用いられることもあれば、じゃがいもや鶏肉のような、淡白な食材の風味漬けとしても活躍します。

 

オレガノ

オレガノは、トマトソースとの相性が抜群のハーブで、主にトマトソースベースのパスタ、ピザ、煮込み料理に用いられます。また肉や魚の臭い消しにも効果があり、焼き物や炒め物など、幅広く使われています。

 

タイム

タイムは、清々しい香りが特徴のハーブで、ギリシャ語で防腐の意味を持ちます。肉、魚、トマトとの相性がよく、煮込み料理、香草焼きに使われます。特に魚との相性は抜群で、「魚のハーブ」とも呼ばれるほど。

 

ミント

日本でもよく知られているミント。爽快感が強い風味が特徴のハーブで、野菜や果物との相性が良く、サラダ、デザートに用いられます。

 

レモン

イタリアはレモンの産地として有名で、イタリア料理では欠かせない存在。肉料理、魚料理、パスタ、サラダなど、様々な料理の味を引き立てることに用いられます。

 

唐辛子

唐辛子は、強い辛味が特徴の香辛料です。イタリア料理では、煮込み料理、炒め物、焼き物、パスタ、スープなど、幅広く使われています。

 

ナツメグ

ナツメグは、甘みと強い香りが特徴の香辛料。肉の臭みを消す働きが強いため、イタリアの肉料理には欠かせません。乳製品を使った料理との相性も抜群で、臭いを抑え、コクを深くしてくれます。

 

一般的にも料理の味付けとして広く用いられる塩ですが、イタリアにおいては用途に応じ、特徴的に使い分けられます。パスタを茹でる時や、ステーキといった大胆な料理には、グロッソと呼ばれる大きい粒を使います。一方、繊細な味付けをもとめられる料理には、フィーネと呼ばれる通常の粒を用います。

 

コショウ

爽快な香りと強い辛味が特徴の香辛料です。イタリア料理では、下ごしらえから仕上げまで用いられ、これがなくては始まりません。肉料理、魚料理、スープ、リゾット、ソースなど、調味料の主力的存在です。

 

ーその他

ハチミツ

ハチミツはチーズとの相性がよいため、ピザ、パスタ、肉料理など、イタリアンでは様々な料理に用いられます。

 

ーまとめ

調味料は料理の特徴が最もあらわれる食材の一つです。イタリアンは特徴的な調味料が多く、また一般的なものでも上手にイタリアならではの食材と組み合わせて用いられています。イタリア料理を作る際には、ぜひ参考にしてみてください。

 

ワインだけじゃない!イタリアのおすすめのお酒

イタリアといえば、ワインのイメージを持っている方も多いのではないでしょうか?しかし本場イタリアには、デザート代わりに飲まれているものから地ビールまで、さまざまな種類のお酒があります。今回は、マニアックなものも含め、ワイン以外のイタリアのおすすめのお酒をご紹介します。

 

ーアマレット

アマレットは、アーモンドに似た香りが特徴のリキュールです。アンズの種を原料としており、独特の香りと強い甘み、ほろ苦さがあります。イタリアでは、主に食後酒として飲まれており、デザート代わりに飲む人もいます。カクテルにもよく用いられるので、日本でもおなじみですね。

 

ーアペロール

アペロールは1919年に誕生した、オレンジがベースのリキュール。アペロールは、イタリア語で食前酒を意味するアペリティフが由来です。

イタリアでは食前酒として飲まれており、赤味を帯びたオレンジ色が特徴で、アルコール度数は11度です。ほとんどの場合、炭酸水、オレンジジュース、白ワイン、シャンパンと混ぜた、カクテルタイプとして提供されます。

 

ーサンブーカ

サンブーカは、アルコール度数が40度とかなり高いことが特徴のリキュールです。ハーブの一種である、エルダーを用いて作られ、イタリアでは食後酒としてよく飲まれています。

サンブーカには非常に特徴的な飲み方があります。ショットグラスに注いだサンブーカに、焙煎したコーヒー豆を浮かべて火をつけ、しばらく炎を楽しみ、火を消してから飲みます。これはイタリアでイベントの時によく行われる飲み方です。ちなみに、このように飲むサンブーカを、サンブーカ・コン・モスカと呼びます。

 

ーカンパリ

カンパリは、ほどよい苦味とさわやかな口当たりが特徴のリキュールです。原料はビター・オレンジピール、コリアンダーやカルダモン、キャラウエイなどのハーブ。キレイな赤色でアルコール度数は25度と、やや高めです。カンパリの発祥はトリノで、1860年に当時バーテンダーをしていた、ガスパーリ・カンパーリによって作られました。

イタリアでは、主にカクテルで用いられるほか、ストレートや白ワインで割って飲まれています。アマレットと同じく、日本でもカクテルでよく知られるお酒ですね。

 

ーグラッパ

グラッパは、イタリア特産のブランデーの一種です。一般的なブランデーと違い、ぶどうの搾りかすを発酵させたものを蒸留して作ります。無色透明で、アルコール度数は30度から60度と、非常に高いことが特徴です。

日本ではあまり知られていませんが、イタリアでは人気が高く、食後酒としてよく飲まれています。

 

ーリモンチェッロ

リモンチェッロは、レモンを用いて作られる、ナポリ発祥のリキュール。イタリアでは、食後酒としてもっとも人気があります。甘くて口当たりが良い一方、アルコール度数は30度以上と高めです。よく冷やしたうえで、食後にショットグラスに入れて一気飲みするのがイタリア流。

またイタリアの名産品として世界中に知られており、日本でも簡単に入手しやすいことが特徴です。

 

ーガリアーノ

ガリアーノは、トスカーナ州で1897年に誕生したリキュールです。液色は黄色で、アルコール度数は35度あります。95%以上の蒸留酒に、バニラビーンズ、主種類のハーブを混ぜて蒸留を何度も重ねて作られます。

 

ーマラスキーノ

マラスキーノは、イタリア北部トリエステの名産として知られています。もともとは、イタリアの向かい側にあるダルマチア地方で、「神のお酒」として伝統的に作られていたものです。サクランボの種を潰したものを原料とし、アーモンドに似た香りが特徴的なリキュールです。なお日本では、「チェリー・ブランデー」としてマラスキーノが飲まれています。

 

ーノチェロ

ノチェロは、クルミを使ったリキュール。アルコール度数95度以上の蒸留酒に、未成熟のクルミを砕いたものを入れ、シュガーシロップと水を加えて作られます。アルコール度数は24度で、ストレートで飲んだり、エスプレッソやカプチーノに加えてカクテルで飲んだりします。またアイスクリームやスポンジケーキに用いられたりします。

 

ーフランジェリコ

フランジェリコは、ヘーゼルナッツを原料としたリキュールです。ナッツ類を原料とするリキュールの中で、もっとも歴史が長いことが特徴です。300年以上前のピエモンテ州とリグリア州境の山中で、僧だったフラ・アンジェリコが作ったのがはじまりとされています。

カクテルとして飲まれているほか、お菓子やコーヒーに使われまた、ナッツの香ばしい香りを活かしてチョコレート、生クリームと合わせて用いられています。

 

ーストレガ

ストレガは、1860年にイタリアのベネヴェントで、ジュゼッペ・アルベルティによって作られたリキュールです。なお製造法は非公開のため、正確なことはわかっていません。判明しているのは、アルコール度数40度であり、砂糖、ハーブ、サフラン、水が材料であることです。

 

ーヴェネチアビール

ヴェネチアビールは、その名の通りヴェネチアの地ビールです。苦味は控えめながらもコクがあり、イタリアンピッツァとの相性は抜群。イタリアでは主に、若い世代を中心に飲まれています。また日本のおつまみとの相性も良いため、一部のビール好きの間で、ひそかな人気をほこっています。

 

ーメッシーナビール

メッシーナビールは、シチリアで誕生したビールです。爽やかな風味とドライな飲み口特徴で、シーフードやサラダとの相性が抜群です。日本ではそれほど馴染みはありませんが、ビール好きなら知っている1品。

 

ーまとめ

本場イタリアには、思った以上にさまざまなお酒があって驚かれた方もいることでしょう。日本ではあまり知られていないものもありますが、それらもイタリアでは、日常的に飲まれています。現在ではネットが普及しているため、入手できるお酒もあります。これを機会に、飲んでみてはいかがですか?

 

イタリアっ子も大絶賛!イタリアンで飲みたいおすすめ食前酒

イタリア料理には食前酒を飲むことが多いですが、「はじめの一杯は何を飲めばいいのかわからない」と思ったことはありませんか?食前酒は決してファッション感覚で飲むものではなく、料理をより楽しむことが目的です。選ぶ際に迷うことがないように、イタリアで食前酒の定番の数々を、選び方も含めてご紹介していきます。

 

―適切な食前酒を選ぶことで、料理をより美味しく楽しめます

食前酒を飲む目的は、大きく分けて2つあります。まず1つ目は、胃を適度に刺激して食欲を増進させること。もう1つは、前菜が提供されるまでの場しのぎです。そのため、始めからアルコール度数の高いものを飲んでしまうと胃を痛めてしまい、また酩酊状態で料理の味がわからなくなる恐れがあります。

 

食前酒は、アルコール度数が低く、甘すぎず、すっきりした口当たりのものを選ぶことが大切です。以上をふまえ、食前酒で是非、飲んでいただきたいものをご説明します。

 

―カクテル

アペロール

アペロールは、イタリア発祥のカクテルです。赤みが強いオレンジ色で、アルコール度数は11度。ビターオレンジやスイートオレンジに、ハーブをブレンドしたものです。さっぱりとした口当たりと、ハーブ特有のさわやかな香りが特徴で、食前酒に適している一品です。オレンジベースのため、オレンジジュースや白ワイン、シャンパンとの相性も抜群です。

 

カンパリ

カンパリは、苦味があり、鮮やかな赤色が特徴のカクテルです。日本でも居酒屋やバーでよく見かけますが、イタリアでも人気のある食前酒です。カンパリ自体のアルコールは25度と高めですが、一般的にソーダや白ワイン、果実を絞ったものと割って飲まれます。

 

スプリッツ

スプリッツは本場イタリアで、もっとも人気があるといっても過言ではない食前酒です。アペロールやカンパリに白ワインもしくはスパークリングワインを加えたうえに、スライスしたオレンジ、オリーブの実を入れて作られます。北イタリアのヴェネト州では、食前酒の代名詞的な存在として飲まれています。なお、甘みのあるスプリッツを飲みながら、オリーブの実を食べるのが王道です。

 

モヒート

モヒートは、ラム酒がベースのカクテルです。もともとはイギリスの海賊が考えたお酒で、イタリアでは食前酒として人気のある一品です。たっぷりのフレッシュミントにラム酒、ライム、砂糖を加えて作ります。フレッシュミントの爽やかさと、ややアルコール度数が強いことが特徴なため、お酒が苦手な方は避けたほうが無難かもしれません。

 

ネグローニ

ネグローニは、カンパリ、ベルモット、ドライ・ジンを混ぜて作られたカクテルです。名前の由来は、フィレンツェの老舗リストランテの常連客で美食家として有名だったカミーロ・ネグローニ伯爵が食前酒として飲んでいたことから来ています。ベルモットの甘さとドライ・ジン、カンパリのほろ苦さがほどよく合い、辛口のカクテルとして男性に人気があります。またドライ・ジンの代わりにスパークリングワインで割ったものをネグローニ・ズバリアートと呼び、こちらも人気の一品です。

 

ジントニック

ジントニックは、ジンベース(ライ麦、大麦、ジャガイモが原料の蒸留酒)のカクテルで、イタリアでは食前酒として定番にあげられます。レシピは、ドライ・ジンにトニックウォーターというシンプルさが特徴です。アルコール度数は5%ほどでクセがないため、アルコールが苦手な方でも飲みやすいお酒です。

 

スプモーニ

スプモーニは、イタリアが発祥のカクテルです。カンパリにグレープフルーツジュース、トニックウォーターを混ぜて作られているため、甘酸っぱくてスッキリとした口当たりが特徴です。イタリアでも食前酒として男性、女性問わず人気のあるカクテルです。

 

キール

キールは、白ワインを使ったカクテルで代表的なもので、辛口の白ワインにカシスリキュールを混ぜて作られます。1945年にフランスのブルゴーニュ地方で誕生したお酒ですが、イタリアで人気のある食前酒の1つです。カシスリキュールが少なめに入っているため、辛口の中にもさっぱりとした口当たりがあることが特徴です。アルコール度数は、10度から14度。また氷が入っていないため、白ワインとカシスリキュールを十分に冷やしてから作り、提供されます。

 

―スパークリングワイン

プロセッコ

プロセッコは、イタリアを代表するスパークリングワインで、イタリアで食前酒として飲むのは習慣と言っても差し支えないほどの人気です。もともとはブドウの品種でしたが、後にこの品種を使って作られたスパークリングワインを指すようになりました。辛口でキレのある発泡が特徴です。

 

ベリーニ

ベリーニは、ベネツィアで誕生したスパークリングワインです。白桃のピューレにスパークリングワイン、ザクロの果汁と砂糖を混ぜたグレナデンシロップを混ぜて作られます。キレイなピンク色をしており、アルコール度数が低めで甘みもあるため、女性にオススメの食前酒です。

 

フランチャコルタ

フランチャコルタは、ロンバルディア州・フランチャコルタが発祥のスパークリングワインです。イタリアでは食前酒として定番にあげられます。「フランチャコルタの奇跡」とも呼ばれ、イタリア高級ワインの代名詞的として高く評価されているほど。特徴である、きめ細かな泡と苦味が食欲を増進します。

 

アスティ・スプマンテ

アスティ・スプマンテは、ピエモンテ州で誕生したスパークリングワインで、白ワインがベースとなっています。モスカート・ダスティというマスカット品種を使って作られているため、上品な甘さと口当たりが良いことが特徴です。辛口なお酒が苦手な女性にオススメの一品で、迷ったらこれを選ぶとよいでしょう。

 

ランブルスコ

ランブルスコは、イタリアでもっとも料理が美味しいとされる、エミリア・ロマーニャ州で作られたスパークリングワインです。白ワインがメインのスパークリングの中でも珍しい、赤ワインのスパークリングワインです。最近では品質の向上が目覚ましいとして注目を集め、食前酒として人気があります。独特の渋みとフレッシュな酸味が特徴です。

 

トレント

トレントは、イタリア最北端トレンティーノ・アルト・アディジェ州で誕生したスパークリングワインです。シャルドネ、ピノ・グリージョなどの白ぶどうをメインに使い、昔ながらの瓶内二次発酵式で造られています。柑橘系とナッツの香りが混じっていることが特徴で、酸味とミネラルのバランスが良く、持続性がある泡との相性が抜群の一品です。

 

―その他

マティーニ

マティーニはカクテルの王様とも呼ばれ、イタリアでは食前酒として定番です。しかしアルコール度数が20度を超えるため、お酒な得意な方以外が飲むことは避けたほうが無難です。あくまでも「イタリアでは定番のもの」として頭に入れておいても良いでしょう。

 

―まとめ

以上のようにイタリアで定番の食前酒は、その後の食事のことを考えた上で選ばれ、飲まれています。イタリアンを最大限に楽しみたいと考えている方にとっては、どれもハズレのないものばかりです。是非参考に、あなただけの一杯を見つけていただければと思います。