種類豊富なイタリアのコーヒー


美食大国として知られるイタリア。美味しい料理やお酒が数多くありますが、実はコーヒーも非常に種類が豊富で美味しいんです。今回はそんなイタリアンコーヒーの魅力をご紹介します。

 

ーイタリアのコーヒーの種類

 

・カフェ

本場イタリアでは、カフェと言えばエスプレッソを指し、イタリア人にとって朝食には欠かせない存在です。またバールでは、日常的に最も飲まれていると言っても過言ではありません。

深煎りしたコーヒー豆を短時間で抽出して淹れるため、濃度が高い特徴があります。一般的なコーヒーカップに比べ、約半分ほどの大きさのカップで提供され、イタリア人はエスプレッソに砂糖をたっぷり溶かして一気に飲み干します。なお飲み慣れていない方には、少し苦いと感じる場合もあるので注意が必要です。焼き立てパンとの相性は抜群であり、次第にクセになる美味しさです。

 

・カフェ・マキアート

カフェ・マキアートは、エスプレッソにスチームミルク(蒸気で泡立てた牛乳)を混ぜたものです。本来は、エスプレッソにスプーン1杯のミルクを溶かしたものですが、エスプレッソとミルクを同じ割合で淹れるケースもあります。エスプレッソと同様、小さなカップで提供されます。ミルクが入っていますが、エスプレッソ本来の風味を十分に感じることができます。

 

・カプチーノ

カプチーノは、日本でも馴染みの深いコーヒーとして知られています。カプチーノもエスプレッソにスチームミルクを入れたものですが、カフェ・マキアートに比べミルクが多く入っているため、口当たりが良いことが特徴です。この特徴が、日本人に馴染みが深い理由となっています。

イタリアではカプチーノを、食後の満腹状態で飲むことはタブーとされています。主に、昼間のゆったりとした時間に、会話を楽しみながらゆっくりと飲むことが一般的です。

 

・カプチーノ・ディカフェイナート

カプチーノ・ディカフェイナートは、カフェイン抜きのカプチーノです。昨今の健康志向に合わせて作られたものと思われがちですが、ディカフェイナートは30年前からすでにイタリアで飲まれていました。カフェインが苦手な方や、妊娠中の方によく飲まれているものです。

 

・カフェ・ドルヅォ

カフェ・ドルヅォは、ディカフェイナートと同じくカフェイン抜きのコーヒーです。大きな特徴は、コーヒー豆ではなく、大麦を焙煎して作られていること。また時間をかけて焙煎するため、深みのある味に仕上がっています。

イタリアでカフェ・ドルヅォは、は、カフェイン抜きのため多くの子どもに親しまれています。ミルクをたっぷり入れて飲むことが一般的な飲み方です。

 

・カフェ・ラテ

カフェ・ラテもカプチーノ同様、日本でもよく飲まれているコーヒーです。エスプレッソとミルクを混ぜて作られているのが特徴です。なおカフェ・ラテはイアリア語で、フランス語ではカフェ・オレと呼ばれています。

カフェ・ラテは、観光客の多い地域で提供されますが、一般的なメニューではありません。本場イタリアでは先述した、カフェ・マキアートが提供されるケースが多いです。

 

・ラテ・マキアート

ラテ・マキアートは、ミルクが主役、エスプレッソが脇役、といった特徴があるコーヒーです。スチームミルクに少量のエスプレッソを注いで作られます。その際、ミルクとエスプレッソの間に層ができるよう、エスプレッソを静かに注ぎます。ラテ・マキアートはやさしい味わいのため、イタリアで朝食の時間によく飲まれています。

 

・カフェ・ルンゴ

カフェ・ルンゴは、通常のエスプレッソで抽出しているお湯の量を、2倍にして作られるエスプレッソのことです。イタリア語でルンゴは、長いという意味を持ち、抽出時間が長いことからルンゴと名付けられました。

特徴は、日本の喫茶店などでよく飲まれているコーヒーに味が近いことがあげられます。しかしイタリア人は、カフェ・ルンゴをあまり飲むことはないようです。

 

・カフェ・リストレット

カフェ・リストレットは、通常のエスプレッソよりも濃いエスプレッソのことです。コーヒー豆の量は同じですが、半分のお湯で抽出するため、より強いコーヒー本来の風味を感じることができます。

イタリアでは、エスプレッソは飲まないけどリストレットは飲むという人がいるほど、好みがわかれるコーヒーです。

 

・カフェ・コン・パンナ

正式名称は、エスプレッソ・コン・パンナで、パンナはイタリア語でホイップクリームのことを指します。その名の通り、エスプレッソにホイップクリームをたっぷり乗せたものであり、イタリアではデザート感覚で飲まれていることが特徴。

イタリア人のカフェ・コン・パンナの飲み方は、スプーンでホイップクリームとエスプレッソを同時にすくって飲むことが一般的とされています。また好みによって、ココアパウダーをかける場合もあるようです。

 

・カフェ・コレット

カフェ・コレットは、エスプレッソに香りの良いリキュールを加えたものです。主にサンブーカやグラッパ、ゴッチェ・インペリアーニといった、アルコール度数が高いものが使われます。消化を助ける効果があるため、イタリアでは食後酒としてのまれることが多いです。

 

・カフェ・シェケラート

カフェ・シェケラートは、イタリア式アイスコーヒーです。カクテルを作る時に使うシェーカーに砂糖と氷を入れ、エスプレッソを入れてシェイクしたものを指します。急激に冷却し、シェイクすることで、カプチーノのように泡立つのが特徴です。

 

・ビチェリン

ビチェリンは、ワイングラスを小さくしたようなカップに、エスプレッソとチョコレート、生クリームを混ぜたものです。イタリアでは、デザート感覚で飲まれていることが特徴の、贅沢なコーヒーです。

 

・マロッキーノ

マロッキーノは、エスプレッソにチョコレートとココアパウダー、泡立てたミルクを注いだコーヒーです。こちらもデザート感覚で飲まれていますが、イタリアでは一気飲みすることが一般的な飲み方となります。

 

ーイタリアのおすすめコーヒーブランド

・キンボ

イタリアで最も人気が高いコーヒーブランドです。ナポリ発祥で、ホテル、レストラン、カフェでも提供され、世界中のコーヒーファンから高い支持を得ています。

 

・ラバッツア

トリノが発祥の、100年以上続く老舗ブランドです。ラバッツアは、イタリアでもかなりのシェアをほこり、世界中から厳選されたコーヒー豆を使用しています。深いコクの中にもコーヒー本来の甘みを感じることができ、イタリア本来のコーヒーを味わいたい方にはオススメです。

 

ーまとめ

イタリアでは様々な種類のコーヒーが様々な飲み方で嗜まれています。日本では馴染みのないコーヒーもあるので、ご興味のある方は、ぜひ本場イタリアでその味を楽しんでみてください。