イタリアンのお店の分類


イタリアンのお店を探していると看板に、店名の横に名称が入っているのを見たことがありませんか?それは、お店の格付けを示すものです。名称によって高級なお店またはカジュアルなお店など、ある程度想定することが可能です。最近ではそれほど厳格な違いはありませんが、知っておくことでいざという時、焦ることはなくなります。

 

―イタリアンでよく見かける名前の違いは?

イタリアンのお店でよく、リストランテ、トラットリア、オステリアなどの名称がついているものを見かけることが多いですが、これらはお店の格付けのようなものです。つまり名称によって、高級志向か大衆志向かの判断ができるのです。格付けとして並べると、次のようになります。

リストランテ→トラットリア→オステリア→タヴェルナ

 

日本ではそれほど明確な違いを設けていない

以上を見ると、リストランテが最も高級志向なイタリアンのお店ということになりますが、これらの格付けは、あくまでも目安です。そして日本では、それほど厳しい違いが見られないケースが多いのです。

リストランテと名乗っていても、リーズナブルで抵抗なく入れるお店もありますし、トラットリアの名称をかかげていても、非常に高級なお店の場合があります。つまり、名称だけではお店の格付けが分からないということです。しかし、格付けを知っておくことで、値段や服装を事前に想定できるメリットがあります。

以下より、イタリアンのお店の分類をご紹介します。

 

―主なイタリアンのお店の種類

・リストランテ

リストランテとはイタリア語で「レストラン」の意味を持ち、本来は星がつくような格式あるお店を指していました。有名なシェフがいたり、ドレスコードを要求されたりする場合がほとんどでしたが、最近では庶民的なお店も増えています。しかしリストランテと聞いたら念のため、正装を用意しておいたほうが無難です。

 

・トラットリア

もともとは、地方料理や家庭料理を出す個人経営のお店との位置づけでした。リストランテと比べるとやや安価で、カジュアル志向が強い特徴のお店です。日本に例えると、大衆食堂や大衆レストランのような位置づけで、ドレスコードを必要としません。しかし、前菜からメインに至るまで、きちんとしたコース料理を用意してあることが特徴です。また、ワインなどのアルコール類も楽しめます。なお、トラットリアの場合も実際に行くとかなりの高級店だったというケースや、予約をしないと入れないといった場合もあります。

 

・オステリア

オステリアは中世から存在していました。元は地方都市などにある中継地点の町に、宿泊施設と食事施設を兼ね備えた施設をオステリアと呼んでいました。現在では宿泊施設はありませんが、大人数で気軽に食事を楽しめるお店となっています。ワインの種類を豊富に取り揃えていることが特徴で、日本でいうところの居酒屋的なものに近いといえます。一方、地元の伝統的な料理を提供するお店がオステリアと名乗るケースも増えていて、こちらは高級なお店の場合が多いです。

 

・タヴェルナ

イタリア語で食堂の意味を持ち、オステリアと同様、大衆居酒屋的な位置づけが特徴のお店です。タヴェルを名乗っているお店の中には、調理済みのお惣菜を置いてあるケースもあります。

 

―その他お店の分類

ピッツェリア

その名のとおり、店内で出来たてを食べられるピッツァ専門店であり、サイドメニューを置いている場合もあります。ピッツェリアを日本にたとえると、ファーストフード店のような位置であり、気軽に食べることが可能です。イタリア料理店によってはピッツァを置いていないお店もありますが、一方でピッツェリア・リストランテと名乗っているお店もあります。こちらはピッツァの他にコース料理を食べることが可能です。

 

スパゲッテリア

スパゲッテリアはパスタ専門店です。パスタメニューの他にもサイドメニューもあり、若者向きのカジュアルな特徴があるお店です。

 

ロスティッチェリア

ロスティッチェリアは、揚げ物やパンなどを販売するお店を指します。立って食べることが特徴であり、日本ではB級グルメの立ち位置として認識されています。

 

バール

バールはアルコールやコーヒー、軽食を楽しめるお店であり、カウンターで立ち飲みをするスタイルが特徴的です。わかりやすく言うと、喫茶店とコンビニエンスストアをあわせもったお店です。夏場ではジェラートが置いてあるお店も多く、また公衆電話やお手洗いを備えているため、休憩所としても使用される場合もあります。なおバールは、イタリアで保護されている特有のお店であり、スターバックスなどの同業チェーン店がイタリアにはありません。

 

ワインバー

ワインを楽しむためのバーであり、料理に関しても、ワインと相性が良いものを中心に取り扱っていることが特徴としてあげられます。バールのようなカジュアルな雰囲気ではなく、落ち着いたシックな雰囲気の中でワインを楽しむ場所です。

 

カフェテリア

カフェテリアはお茶専門店です。紅茶や日本茶、中国茶など、多種多様のお茶が飲めることが特徴のお店です。飲み物を注文すると大抵の場合、クッキーが一緒についてきます。またカフェテリアの中には、さまざまな国の茶器が販売されており、購入できるお店もあります。

 

パスティッチェリア

バールでもケーキやお菓子を販売しているお店は、パスティッチェリアと呼ばれます。つまりお菓子屋・ケーキ屋さんのことです。こちらもバール同様、立ち飲みが基本となっています。

 

―まとめ

種類が多くて驚かれた方もいるかもしれませんが、先述したように明確な線引きはなく、名称だけで高級さをはかることはできません。あくまでも目安として頭に入れておくと、いざという時に役に立つかもしれません。