イタリアといえば世界に誇る美食の国ですが、実は料理だけでなく、スイーツも非常にバラエティに富み、絶品が揃っているんです。日本でも定番のものから隠れた逸品まで、おすすめのイタリアンスイーツ16選をご紹介します。
ーティラミス
ティラミスは、日本でもよく知られているイタリアンスイーツで、ベネトが発祥です。スポンジケーキにエスプレッソを染み込ませ、カスタードソースとマスカルポーネチーズを混ぜたクリームを入れ、仕上げにココアパウダーを振りかけて作ります。本場イタリアでは、フルーツや野菜が用いられることもあります。
ちなみにティラミスはイタリア語でtira(引っ張って)mi(私を)su(上へ)と綴り、「私を元気づけて」という意味を持つケーキです。
ーパンナコッタ
パンナコッタは、生クリームをたっぷり使った、口当たりのよいイタリアンスイーツです。イタリア語でパンナ(生クリーム)コッタ(煮る)という意味を持ち、生クリーム、牛乳、砂糖を混ぜたものを、ゼラチンやデンプンで固めて作られます。
生クリームはカロリーが高く高価なことから、日本では無糖練乳で代用されることが多いです。
ーカンノーロ
カンノーロはシチリア島を代表する有名なスイーツです。小麦粉ベースの生地を円筒に巻いて揚げ、その中にシチリア特産ワイン、リコッタチーズ、チョコレートなどを混ぜたクリームを詰めて作ります。
カンノーロはもともとイタリア以外の国ではそれほど認知度が高くありませんでしたが、映画『ゴッド・ファーザー』に登場したことで、一気に認識度が高まりました。
ースフォリアテッラ
スフォリアテッラは、貝に似た、何層もあるパイ生地の中に、リコッタチーズやカスタードクリーム、アーモンドクリームを入れてオーブンで焼き上げて作ります。本場イタリアでは非常に人気があり、高級リストランテのデザートメニューにも登場します。
もともとはアマルフィ地方の聖ローサ修道院が発祥といわれ、その名にちなんで「聖(サンタ)ローサ」と呼ばれていました。オリジナルはドライフルーツや砂糖、リモンチェッロを入れていましたが、徐々に手が加えられ、現在の形になったのです。
ーアマレッティ
アマレッティは、通常のクッキーより軽い食感が特徴のイタリアンスイーツです。小麦粉の代わりにアーモンドパウダーを用いて作る焼き菓子で、一般的なクッキーと違いバターやマーガリン、ショートニングを使いません。なおアマレッティは、フランスで有名な、マカロンの原型となったお菓子です。
ージェラート
ジェラートは、日本でも認識度が高いイタリアンスイーツです。フィレンツェが発祥で、果汁や果肉、牛乳、コーヒー、砂糖、香草などを混ぜ、それを凍らせて作ります。シチリアでは、菓子パンに挟んで食べることもあります。
アイスクリームとの違いとして、含まれる空気が少ないため密度が濃く、風味にコクがあります。また乳脂肪分は4%から8%で、アイスクリームよりも低カロリーなことが特徴です(アイスクリームの乳脂肪分は8%以上あります)。
ーアフォガート
アフォガートはバニラ味のジェラートに飲み物をかけて食べるイタリアンスイーツです。かける飲み物は主に、エスプレッソや紅茶、リキュールがあげられます。日本では、バニラアイスクリームに、エスプレッソをかけたコーヒーアフォガートが有名です。
ースプモーニ
スプモーニは、さまざまな色や風味のアイスクリームを重ね、果物の砂糖漬けやナッツ類を加えて作るイタリアンスイーツです。
一般的には3種類のアイスクリームを使い、主にサクランボ、ピスタチオ、バニラ、チョコレートなどを用います。また赤、緑、茶色の組み合わせで作ることが伝統で、果物やナッツの層に、カットしたサクランボを加えるケースもあります。
スプモーニは日本であまり馴染みがありませんが、米国やアルゼンチンといった、イタリア系移民の多い国で高い人気を誇るイタリアンスイーツです。
ーパネトーネ
パネトーネは、イタリア伝統の菓子パンの一種です。パネトーネ種酵母を用いて発酵させた生地の中に、ドライフルーツを混ぜて焼き上げた柔らかい口溶けが特徴。パネトーネは少しトーストして、生クリームやバニラアイスを添えて食べることが一般的です。
ーザバイオーネ
ザバイオーネは、ピエモンテ名物のイタリアンスイーツです。卵黄に砂糖を加え、シチリア特産ワイン、スペイン特産ワイン、白ワインなどの洋酒を混ぜて煮詰めたカスタードクリームです。デザートとしてそのまま食べたり、ティラミスに用いられたり、パネトーネに添えられることもあります。
ーズゴット
ズゴットは、フィレンツェが発祥のケーキです。ドーム型が特徴で、半解凍させたアイスクリームケーキや、フルーツタルトを用いたイタリアンスイーツとして知られています。
14世紀頃のルネサンス期に誕生しましたが、長い間忘れられていました。しかし1950年代に、フィレンツェの老舗洋菓子店がズゴットのレシピを復元したことで、再び注目を浴びます。
焼いたスポンジケーキにさまざまな洋酒を染み込ませ、ナッツ類、果実の砂糖漬け、リコッタチーズ、ヨーグルトを詰め、型に入れて凍らせます。その後、半解凍にし、粉砂糖、ココアパウダー、チョコレートをかけて食べることが一般的です。
ートルタ・カプレーゼ
トルタ・カプレーゼは、カプリ島が発祥のケーキです。チョコレート、アーモンド、バター、砂糖、卵白を混ぜて焼き上げます。
トルタ・カプレーゼの大きな特徴は、小麦粉類を使わずに作ることです。もともとは小さなティーショプで提供されていましたが世界的に有名となり、現在ではさまざまな格式のレストランメニューに加えられるまでになりました。
ーババ
ババはオーストリアが起源でその後、イタリアに普及したナポリ名産の焼き菓子です。イースト菌で膨らませた生地を円筒の型に入れて焼き、ラム酒ベースのシロップを染み込ませて作ります。お酒が入っていますが、本場イタリアでは子どもに人気のあるイタリアンスイーツです。
ーマチュドニア
マチュドニアは、さまざまな果物を用いて作られた、フルーツポンチのようなデザートです。日本のフルーツポンチと違って甘すぎず、さっぱりとした口当たりが特徴で、イタリアだけでなく、スペイン、フランス、ラテンアメリカなどで人気のあるスイーツです。
ーマルチパン
マルチパンは、パレルモ名物の洋菓子です。砂糖と挽いたアーモンドを練って作られ、餡に似た食感が特徴的で、独特の風味があります。
マルチパンは一般的に一口大で、さまざまな形や色のものがあります。野菜、果物、動物、人物といった形が定番ですが、薄く伸ばしてクリームの代用として、ケーキのデコレーションに用いられることもあります。
ーモンブラン
モンブランは栗をふんだんに使ったケーキで、日本でもよく食べられています。ピエモンテの家庭菓子が原型とされ、当初は栗のペーストに生クリームを添えただけのものでした。その後、老舗カフェがこれをもとに発展させました。マロングラッセを潰してペースト状にしてかけ、その上にメレンゲ状にしたクリームをかけたのです。これが現在のモンブランとして認識されるようになりました。
最近ではコストを抑えるため、さつまいものクリームや白餡で代用されることもあり、これらもモンブランと呼ばれています。日本ではさつまいも、カボチャ、栗のクリームに抹茶を混ぜたモンブランや、ココアを混ぜたものもあります。
ーまとめ
イタリアンスイーツにはティラミスやジェラートのような有名なものだけではありません。非常にバリエーション豊かで、魅力的なスイーツがたくさんあります。スイーツが好きな方は、ぜひイタリアンスイーツの世界を探索してみてはいかがでしょうか。