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イタリアンとフレンチの違いを分かりやすく解説

「イタリアンとフレンチの違いがわからない…」そう感じたことはありませんか?今回は、食材や料理、マナーから歴史にいたるまで、イタリアンとフレンチの違いを分かりやすく解説していきます。読み終わる頃には、誰かに教えてあげたくなるかもしれません。

 

―実は、イタリアンとフレンチは元々一緒

フレンチのルーツをたどると、原点はイタリアンです。1533年、フランスのアンリ2世にイタリアのカテリーナ・デ・メディチが嫁ぎました。その際、料理人、料理の技術、調理法、マナー、食器にいたるまで、イタリアからフランスに持ち込みました。

またカテリーナは、ピエスモンテ(砂糖菓子)などのお菓子や、音楽や劇を楽しむコラシヨンなども広め、フランスの菓子文化に大きな影響を与えたと言われています。

なおそれまでのフレンチは、フォークはおろか、スプーンも使わずに手づかみで食べることが一般的でした。これを見たイタリア出身のカテリーナは嘆き悲しみます。そこでカテリーナは料理の向上を図るため、日夜晩餐会を開きました。今まで、肉の塊やドロドロなシチュー、ゆで野菜など、質素なものしか食べてこなかったフランス人たちはカルチャーショックを受けます。

その後、宮殿お抱えの料理人たちは料理の腕をみがき、料理に情熱を注ぎました。その努力もあり、盛り付け方法や調味料も格段に進歩することになったのです。

1700年代にはマヨネーズやフォアグラが登場し、この頃にフランス料理はオートキュイジーヌと呼ばれ、フレンチの原型が完成します。質素であったフレンチは、イタリアンとの出会いにより、世界三大料理と称えられるようになったのです。

つまりイタリアンはフレンチのルーツでもあり、元々は一緒と言っても過言ではありません。

 

―食材と料理の違い

イタリアンはシンプル、フレンチはアレンジ

イタリアンは主にオリーブオイルやバルサミコを使い、食材本来の味を重視している傾向にあります。郷土料理や地方色の強い料理を現在まで守り続けてきたため、このような特徴があるのです。

一方フレンチは、バター、チーズ、生クリーム、ダシをとってソースを作ったうえで使うなど、食材にアレンジを加える特徴があります。酪農がさかんなため、乳製品を使ったレシピが多いのです。フレンチは郷土料理や地方色の強い料理をベースにしつつ、新たな料理を生み出そうとする特徴があるともいえるでしょう。

 

料理の違い

フルコースの品目は、フレンチのほうが若干多いことがあげられます。これには理由があり、「イタリアへの対抗意識」からきています。イタリアンとの出会いがきっかけでフレンチは大きく進歩しましたが、「イタリアには負けたくない」というフランスのプライドから、あえてフルコースの品目を多くしたのです。

炭水化物に関して、イタリアンでは主にパスタやピザ、フォカッチャなどが用いられています。フレンチではフランスパンといったパン類が一般的です。ソースを使った料理が多いので、残ったソースをパンに浸して食べることも目的の1つです。

また料理に使われる肉の種類は双方に差はなく、魚介類の種類はフレンチのほうが多い傾向にあります。

 

―テーブルマナーは全く違う

フォークの扱い方

イタリアンの場合、フォークを右手に持ち替えることはいけない事とされています。しかし、フォークの背中に料理を乗せて食べることは問題ありません。なお、リゾットをたべる際もフォークを使いましょう。ピザに関しても、できる限りナイフとフォークを使って食べることが望ましいとされています。ただし、どうしても食べにくい場合、手づかみでも問題ありません。

一方フレンチでは、フォークを持ち替えても問題はありませんが、フォークの背中に料理を乗せて食べるのはマナー違反となりますので注意が必要です。

 

スプーンの扱い方

スプーンの扱い方にも違いが見られます。イタリアンはスープを飲む際、スプーンを手前から奥に運んで飲みます。スープの残りが少なくなったら、皿の手前を少し浮かせてから飲みやすくします。フレンチの場合は反対に、スープを奥から手前側にすくってから、皿の奥側を浮かせて飲むことがマナーです。なおスープを飲む場合、音を立てて飲むと非常に印象が悪いため、注意しましょう。

 

パンの食べ方

イタリアンのパンの食べ方は、一口大にちぎり、塩が少量入っているオリーブオイルにひたして食べることが正解です。なお、料理で残ったソースなどをパンにつけて食べることも問題ありません。

一方フレンチの場合、ちぎったパンにバターナイフで切ったバターをつけて、一口で食べることがマナーとされています。フレンチでは一般的に、デザートが運ばれてくるまでパンを食べても良いとされています。そして料理で残ったソースをパンにつける時は、パンをフォークで刺してからソースにつけて食べることが正解です。なお、イタリアンでサラダを食べる場合、自分でオリーブオイルやバルサミコ酢、塩をかけて食べましょう。

 

食事が終わったら

イタリアンの場合、料理を食べ終わったら、ナイフとフォークを身体と垂直になるよう、縦にして並べるようにしましょう。フレンチでは、時計の針3時の位置に身体と平行となるように、横向きにして並べることが正解です。

 

―共通のマナー

グラス・カラトリー

乾杯をする際、グラスをぶつけることは正しいマナーではありません。グラスを目の高さまで持ち上げ、アイコンタクトをすることが正解です。また。ワインを注いでもらう時は、グラスに触れないことがマナーとなります。カラトリー(ナイフ、フォーク、スプーン)は外側から順番に使いましょう。

 

ナプキン

ナプキンの使い方は、注文をしてから広げます。二つ折りにしてから膝の上に広げ、汚れた部分が相手に見えないように、汚れを内側へ隠すことがマナーです。

よくある間違いは、ナプキンがあるのに自分のハンカチなどを使ってしまうことです。これは、「この店のナプキンは汚くて使いたくない」ととられてしまい、悪い印象を与えてしまうので注意が必要です。

また、食事が終わった後、ナプキンをキレイにたたむことも控えましょう。理由は、「料理が美味しくなかった」というサインだからです。したがってナプキンは、軽くたたんでテーブルの上に置くことがマナーです。

 

―まとめ

イタリアンとフレンチの歴史を知り、違いを知ることで、料理を食べる際も恥をかかず済みます。そしてなにより、料理を一層楽しくいただくことができるでしょう。

 

イタリア料理の歴史と伝統

イタリア料理は、実に2000年もの歴史があり、当時から非常に高度な食文化を持っていました。しかしイタリア料理の歴史を知っている人はそう多くありません。歴史や伝統を知ることで、より一層イタリア料理に対しての理解を深めることができるはずです。

 

―イタリア料理の起源と食材の起源

イタリア料理の起源

イタリア料理の歴史は非常に古く、古代ローマ時代にさかのぼります。当時のローマ人は食事の時間を大切にし、1日3食を取りいれるなど、食事にかける時間を大切にしていました。

またその内の1食を、現代にあたるプリモ、セコンドに似たコースで構成することで、2時間から3時間をかけてじっくり堪能していたのです。さらに古代ローマ人は、満腹になった場合であっても、食べたものを意図的に吐き出して空腹状態をつくりまた食べるといったことを行っていました。そういった背景から古代ローマの哲学者セネカは、「ローマ人は食べるために吐き、吐くために食べる」と表現しています。

当時の主食は、プルスと呼ばれる小麦粉を煮込んで作られたお粥です。料理に使う調味料は、魚を発酵、熟成させて作った魚醤に酷似したガルム、サーパと呼ばれる甘味料やハチミツなどが用いられていました。そして裕福なローマ人たちの間で、優秀な料理人を呼び寄せ、作らせた料理を客に自慢するといったことが流行していたのです。

以上のようにイタリア料理は2000年前にもかかわらず、非常に高度な食文化を持っていたのです。そしてチーズや牡蠣はローマ遠征の際、兵士のスタミナ食として携帯されていました。そのことが発端として、ローマ帝国の発展とともに欧州各地に普及し、他国の追従を許さないほどの食文化の発展に繋がったのです。

 

食材の起源

一方、イタリア料理の発展の裏には、歴史の表舞台に出ない人々の努力もあります。そして料理に使われる食材も、他国からの影響を受けたからこそといっても過言ではありません。特にアラビア人との接触は、イタリア料理の進歩に対して大きな影響を与えたのです

たとえば、オレンジ、サトウキビ、米やサフランといった食材です。イタリアの料理人たちがこれら未知の食材に関心を抱いたことで、イタリア料理全般に刺激をもたらし、さらなる進化を果たしました。また他の食材を作るための農業も発展するなど、料理以外の分野も飛躍し、確固たる地位を築きあげたのです。アラビア人の影響によりその後、米は広大な水田地帯で大規模な生産が始まり、シャーベットも普及するようになったのです。

 

―イタリア料理のその後

古代ローマ帝国は、476年にゲルマン民族の侵略により滅亡し、その後も多民族からの侵略を受け続けることになりました。しかしイタリア料理の文化や技術は、衰退することなく受け継がれています。

 

パスタとトマトの出会い

12世紀から13世紀になり、現在のパスタの原型として、手打ちの生パスタが誕生しました。そして14世紀には、パスタを専門に生産する業者も現れるようになり、生パスタをスープに入れたり、ゆであげたパスタをソースにからめたりと、一般家庭にも次第に普及することになったのです。

そして15世紀にはパスタの元祖である、棒状の乾燥パスタが作られます。16世紀にもなると、パスタ圧力機械が発明され、従来手作りされていたものを押し出す製法に変わりました。そして大航海時代を背景に、ナポリにトマトがたどり着きます。トマトは当初は観賞用として扱われていましたが、ナポリ人たちが品種改良を重ねることによって、18世紀に食用として扱われるようになったのです。結果、パスタとトマトの組み合わせは一気に広まり、現在に通じるイタリア料理の原型を形成するまでになります。

19世紀になると人工乾燥機が発明され、パスタの生産性が大きく向上することになります。生産性が大きく向上することにより、欧州各国だけでなく米国まで輸出されるようになったのです。それに合わせ、1880年から1920年の間に400万人の南イタリア人が米国に移り住み、イタリアの食文化も輸出するようになりました。そして米国に移り住んだ南イタリア人を原点として米国にイタリア料理が広がり、現在ではアメリカの第2の国民食として認識されるまでになったのです。

 

日本のパスタ事情

パスタが日本に初めて登場したのは、幕末の横浜外国人居留地です。その後、明治時代には輸入パスタが食べられていましたが、それは一部の愛好家の間だけであり、また一般的な普及はしていませんでした。

昭和30年にマカロニが発売されたことで、一般人にも広く認識されるようになり、日本でも大量生産が始まったのです。そして現在では、スパゲティーと呼ばれ多くの日本人に食べられる料理になりました。

 

―現在のイタリア料理の食文化・日本のイタリア料理

主食はパンの地域がほとんどですが、イタリア北部ではトウモロコシの粉から作ったポレンタを食べる地域もあります。またイタリア南部はトマトを多く使用する傾向があり、北部はバターや生クリームを主体として使う傾向があります。そして沿岸部では魚を食べますが、内陸部で食べることはほぼありません。

一方で、食事にワインを合わせることは共通しており、基本的にその土地独自のワインが飲まれる傾向があります。またコーヒーの消費量が多いことも特徴で、エスプレッソやカプチーノ、カフェラテなどが好んで飲まれているのです。

なお現在のイタリア料理は世界中において、中国料理に次いで食べられている料理となっているのです。近年は、イタリア料理の習慣や文化の崩壊に危機感を感じたスローフード協会が、スローフードの概念を発信しています。そうすることで、イタリア料理の風味や豊かさを再認識してもらおうと、さまざまな活動をしているのです。以上のことによりこれからの時代もイタリア料理は、高度な食文化の発信基地といえるでしょう。そして2010年にイタリア料理は、ユネスコの無形文化遺産として登録されました。

 

日本のイタリア料理

イタリア料理は日本では、イタリアンやイタ飯と呼ばれて多くの人に認識されています。日本で認識されている特徴として、トマトやオリーブオイルを使った料理が多い傾向にあります。しかし実はこの特徴は、ナポリといった南イタリアの料理の特徴です。

先述したようにイタリア料理は、地域によって使う食材が異なります。したがってイタリア料理の総体としては、素朴な料理が多いといえるでしょう。

 

―まとめ

イタリア料理のテーブルマナーなどは知っていても、イタリア料理の歴史や伝統を知っている人はそう多くありません。しかしその歴史や伝統を知ることで、なぜこういった調理法をするのか、なぜこういった食材を使うのかなどが腑に落ちて理解することができるのです。したがって、知っておいて決して損ではないでしょう。

 

イタリアの地域ごとの郷土料理を紹介

イタリアには、地域ごとに独自色が濃い郷土料理があります。同じイタリアでも、別の国の料理と錯覚してしまうほどの違いがあります。しかし、今回ご紹介する郷土料理を知っていただくことで、より深いイタリアンの世界を楽しむことができるでしょう。

 

―カンパーニャの郷土料理

スパゲッティ・アッラ・ペスカトーレ

スパゲッティ・アッラ・ペスカトーレは、日本でもペスカトーレの名でよく知られているパスタです。イタリア語で漁師の意味を持ち、もともとは漁師の料理でした。売れ残った魚介類を、トマトソースで煮込んだことが発祥とされています。日本のアラ汁と同等の大衆料理です。

一般的にはホタテ、ムール貝、エビ、イカ、アサリ等が使われています。しかし本来はレシピに決まりはなく、魚介類をトマトソースで調理した料理をペスカトーレと呼ぶケースが多いです。

トマトソースとオリーブオイルのさっぱりした口当たりが日本人の口にも合うため、多くの人に愛されているナポリの郷土料理です。

 

スパゲッティ・アッラ・ボンゴレ

日本ではアサリを多く使い、ボンゴレと呼ばれ親しまれているパスタです。本場イタリアではヨーロッパアサリの他に、ガリアハマグリなどの2枚貝がふんだんに使われています。

ボンゴレには2種類あり、1つはトマトソースを使ったボンゴレ・ロッソ(赤)。2つ目は、トマトソースを使わないボンゴレ・ビアンコ(白)です。なお最近では、バジリコを使ったボンゴレ・ヴェルデ(緑)や、イカスミを用いて作られるボンゴレ・ネロ(黒)などを提供するお店も増えています。

ボンゴレを作る際は、スパゲッティやスパゲッティーニ、リングイネといったロングパスタが使われています。

 

アクアパッツァ

アクアパッツァは、魚介類をトマトやオリーブオイル、ニンニク、イタリアンパセリ、水で煮込んだスープです。用いられる魚はスズキやタラ、メバル、タイといった白身魚であり、貝類は主にアサリやムール貝です。なお、好みによってタコやイカを加える時もあり、パスタやパンと一緒に提供されます。

 

―シチリアの郷土料理

アランチーニ

アランチーニは、シチリア名物のライスコロッケです。形がオレンジに似ているためアランチーニと呼ばれています。湯炊きした米に溶き卵とパルミジャーノ・レッジャーノチーズ、塩コショウを混ぜて丸め、パン粉をまぶして揚げたものであり、直径は10センチ程度になります。

 

カポナータ

カポナータは、素揚げしたナスの甘酢煮です。揚げナスにトマトやタマネギ、ズッキーニ、セロリ、ケッパー等の野菜を加え、白ワインビネガーで煮込んで砂糖、塩で味付けしたシチリアの伝統料理です。なお、先述した野菜の他に、タコやエビなどの魚介類を入れるケースもあります。

 

マグロのオーブン焼き

シチリアではマグロの水揚げが豊富です。そのため、マグロをお肉の感覚で食べます。主に赤身をステーキにしたり、グリルにしたりして食べられています。

 

ナスのインボルティーニ

シチリアはナスも豊富にとれるため、ナスを使った料理が多いです。ナスのインボルティーニも、シチリアを代表する郷土料理。なおインボルティーニは、イタリア語で包むまたは焼くという意味を持っています。ナスにトマトやチーズ、ドライフルーツ、パン粉などを巻き込み、焼いたり煮込んだりすることが特徴です。

 

カンノーロ

カンノーロは数あるシチリアのお菓子の中でも最も有名です。薄く延ばした小麦生地を筒状に揚げ、リコッタチーズと砂糖を混ぜてクリーム状にしたものを中に詰めたものです。もともとは謝肉祭を祝って作られていましたが、現在は年間を通して食べられます。

 

―ピエモンテの郷土料理

野菜のバーニャカウダー

生野菜のスティックを、アンチョビ、ニンニクとオリーブオイルで作ったソースに浸して食べるピエモンテの郷土料理です。主にジャガイモやカリフラワー、セロリ、カブといった野菜が用いられます。またカルドゴッボ、トピナンブールなどの地元野菜を使う場合もあります。

 

ジャンドゥイオット

ジャンドゥイオットは、ボートを裏返した時の形にそっくりなことが特徴のチョコレート菓子です。砂糖、ココア、ヘーゼルナッツクリームを混ぜ合わせて作ります。

 

パンナコッタ

パンナコッタは、トリノが発祥のお菓子です。本来は生クリームがなく、牛乳の上澄みとデンプンを一緒に煮込んで固めた質素なものでした。現在では、生クリームと牛乳、砂糖を混ぜて火にかけ、ゼラチンで固めて作られています。

 

ビチェリン

ビチェリンはエスプレッソ、チョコレート、ミルク、ホイップクリーム、砂糖を用いて作られるチョコレート飲料です。トリノが原産の温かい飲み物であり、イタリア初代首相のお気に入りでした。

 

―ロンバルディアの郷土料理

ミラノ風カツレツ

ミラノ風カツレツは、リゾットと並ぶロンバルディア州ミラノの郷土料理です。子牛のロース肉に溶き卵とパン粉をまぶし、バターをたっぷり用いてキツネ色に揚げて作ります。高級なお店では骨付きのロース肉を使い、大衆向けのお店では、モモ肉の薄切りを使う場合が多いことが特徴です。肉の旨味に加え、パン粉とバターの香りが食欲をそそります。

 

ミラノ風リゾット

ミラノ風リゾットは、ミラノ風カツレツと共に有名な郷土料理です。サフランを用いて作られるため、黄金色であることが特徴の郷土料理です。結婚式を邪魔しようと、リゾットにサフランを入れ恐る恐る食べてみると、美味しかったというユニークな由来があります。

 

ミネストローネ

日本でもよく食べられている、さまざまな野菜を使ったスープです。ニンジン、タマネギ、セロリ、炒めたベーコンに香料を加え、くたくたになるまで煮込んで作ります。本場ではインゲン豆、トマト、ニンジン、タマネギが用いられ、好みによって米やパスタを加えて調理されることが一般的です。

 

ティラミス

日本でも馴染みの深い、定番のデザート。スポンジケーキにエスプレッソを染み込ませ、ロンバルディア州特産のマスカルポーネチーズに、カスタードソースを合わせたクリームを流し固めて作ります。ファミリーレストランでも手軽に食べられることから、現在でも絶大な人気を誇っています。

 

パネトーネ

パネトーネはミラノが発祥のお菓子であり、イタリア中でクリスマスの定番としても食べられています。パネトーネは室内保存の場合、3ヶ月~半年も保存が効くという、驚きの特徴を持っています。食べ方は少し焼いてから、生クリームやバニラアイスを添えることが一般的です。

 

―ヴェネチアの郷土料理

イワシのマリネ

ヴェネチアの郷土料理といえば、イワシのマリネが筆頭にあげられます。イタリアコース料理の前菜として、外せない料理です。イワシに衣をまぶして揚げ、タマネギ、ワインビネガー、レーズン等と和えてマリネしたものです。

 

イカスミパスタ

イカスミパスタは、ヴェネチアを代表する郷土料理のパスタであり、真っ黒な見た目が特徴的です。白ワインとトマトを少し加えることで、イカスミの生臭さが抑えられています。見た目に反して、非常に美味しいパスタとして人気があります。

 

―プッリャの伝統料理

ブッラータチーズとトマトのマリネ

水牛のモッツアレラチーズ、トマトをビネガーで和えたプッリャの伝統料理です。野菜や果物との相性が抜群で、合わせて食べると全く違った美味しさを楽しむことができます。

 

オレッキエッテ

オレッキエッテはプッリャ特産のパスタです。親指の4分の3ほどの大きさしかないショートパスタで、リコッタチーズとトマトソースに和えたうえで、ブロッコリと合わせて食べることが一般的です。

 

肉の盛り合わせ

鶏の肝臓や手羽を子羊の腸で巻いたり、カットした豚肉でリコッタチーズを包んだりしたものを、串刺しにして焼いたプッリャの郷土料理。ボリューム満点で、肉の旨味を直に感じることができます。

 

―まとめ

イタリア各地には、それぞれ独自色が強い郷土料理があることを知っていただけたかと思います。今回ご紹介した郷土料理を抑えておくことで、本場イタリアに行った場合に美味しい体験ができるかもしれません。

 

種類豊富なイタリアのコーヒー

美食大国として知られるイタリア。美味しい料理やお酒が数多くありますが、実はコーヒーも非常に種類が豊富で美味しいんです。今回はそんなイタリアンコーヒーの魅力をご紹介します。

 

ーイタリアのコーヒーの種類

 

・カフェ

本場イタリアでは、カフェと言えばエスプレッソを指し、イタリア人にとって朝食には欠かせない存在です。またバールでは、日常的に最も飲まれていると言っても過言ではありません。

深煎りしたコーヒー豆を短時間で抽出して淹れるため、濃度が高い特徴があります。一般的なコーヒーカップに比べ、約半分ほどの大きさのカップで提供され、イタリア人はエスプレッソに砂糖をたっぷり溶かして一気に飲み干します。なお飲み慣れていない方には、少し苦いと感じる場合もあるので注意が必要です。焼き立てパンとの相性は抜群であり、次第にクセになる美味しさです。

 

・カフェ・マキアート

カフェ・マキアートは、エスプレッソにスチームミルク(蒸気で泡立てた牛乳)を混ぜたものです。本来は、エスプレッソにスプーン1杯のミルクを溶かしたものですが、エスプレッソとミルクを同じ割合で淹れるケースもあります。エスプレッソと同様、小さなカップで提供されます。ミルクが入っていますが、エスプレッソ本来の風味を十分に感じることができます。

 

・カプチーノ

カプチーノは、日本でも馴染みの深いコーヒーとして知られています。カプチーノもエスプレッソにスチームミルクを入れたものですが、カフェ・マキアートに比べミルクが多く入っているため、口当たりが良いことが特徴です。この特徴が、日本人に馴染みが深い理由となっています。

イタリアではカプチーノを、食後の満腹状態で飲むことはタブーとされています。主に、昼間のゆったりとした時間に、会話を楽しみながらゆっくりと飲むことが一般的です。

 

・カプチーノ・ディカフェイナート

カプチーノ・ディカフェイナートは、カフェイン抜きのカプチーノです。昨今の健康志向に合わせて作られたものと思われがちですが、ディカフェイナートは30年前からすでにイタリアで飲まれていました。カフェインが苦手な方や、妊娠中の方によく飲まれているものです。

 

・カフェ・ドルヅォ

カフェ・ドルヅォは、ディカフェイナートと同じくカフェイン抜きのコーヒーです。大きな特徴は、コーヒー豆ではなく、大麦を焙煎して作られていること。また時間をかけて焙煎するため、深みのある味に仕上がっています。

イタリアでカフェ・ドルヅォは、は、カフェイン抜きのため多くの子どもに親しまれています。ミルクをたっぷり入れて飲むことが一般的な飲み方です。

 

・カフェ・ラテ

カフェ・ラテもカプチーノ同様、日本でもよく飲まれているコーヒーです。エスプレッソとミルクを混ぜて作られているのが特徴です。なおカフェ・ラテはイアリア語で、フランス語ではカフェ・オレと呼ばれています。

カフェ・ラテは、観光客の多い地域で提供されますが、一般的なメニューではありません。本場イタリアでは先述した、カフェ・マキアートが提供されるケースが多いです。

 

・ラテ・マキアート

ラテ・マキアートは、ミルクが主役、エスプレッソが脇役、といった特徴があるコーヒーです。スチームミルクに少量のエスプレッソを注いで作られます。その際、ミルクとエスプレッソの間に層ができるよう、エスプレッソを静かに注ぎます。ラテ・マキアートはやさしい味わいのため、イタリアで朝食の時間によく飲まれています。

 

・カフェ・ルンゴ

カフェ・ルンゴは、通常のエスプレッソで抽出しているお湯の量を、2倍にして作られるエスプレッソのことです。イタリア語でルンゴは、長いという意味を持ち、抽出時間が長いことからルンゴと名付けられました。

特徴は、日本の喫茶店などでよく飲まれているコーヒーに味が近いことがあげられます。しかしイタリア人は、カフェ・ルンゴをあまり飲むことはないようです。

 

・カフェ・リストレット

カフェ・リストレットは、通常のエスプレッソよりも濃いエスプレッソのことです。コーヒー豆の量は同じですが、半分のお湯で抽出するため、より強いコーヒー本来の風味を感じることができます。

イタリアでは、エスプレッソは飲まないけどリストレットは飲むという人がいるほど、好みがわかれるコーヒーです。

 

・カフェ・コン・パンナ

正式名称は、エスプレッソ・コン・パンナで、パンナはイタリア語でホイップクリームのことを指します。その名の通り、エスプレッソにホイップクリームをたっぷり乗せたものであり、イタリアではデザート感覚で飲まれていることが特徴。

イタリア人のカフェ・コン・パンナの飲み方は、スプーンでホイップクリームとエスプレッソを同時にすくって飲むことが一般的とされています。また好みによって、ココアパウダーをかける場合もあるようです。

 

・カフェ・コレット

カフェ・コレットは、エスプレッソに香りの良いリキュールを加えたものです。主にサンブーカやグラッパ、ゴッチェ・インペリアーニといった、アルコール度数が高いものが使われます。消化を助ける効果があるため、イタリアでは食後酒としてのまれることが多いです。

 

・カフェ・シェケラート

カフェ・シェケラートは、イタリア式アイスコーヒーです。カクテルを作る時に使うシェーカーに砂糖と氷を入れ、エスプレッソを入れてシェイクしたものを指します。急激に冷却し、シェイクすることで、カプチーノのように泡立つのが特徴です。

 

・ビチェリン

ビチェリンは、ワイングラスを小さくしたようなカップに、エスプレッソとチョコレート、生クリームを混ぜたものです。イタリアでは、デザート感覚で飲まれていることが特徴の、贅沢なコーヒーです。

 

・マロッキーノ

マロッキーノは、エスプレッソにチョコレートとココアパウダー、泡立てたミルクを注いだコーヒーです。こちらもデザート感覚で飲まれていますが、イタリアでは一気飲みすることが一般的な飲み方となります。

 

ーイタリアのおすすめコーヒーブランド

・キンボ

イタリアで最も人気が高いコーヒーブランドです。ナポリ発祥で、ホテル、レストラン、カフェでも提供され、世界中のコーヒーファンから高い支持を得ています。

 

・ラバッツア

トリノが発祥の、100年以上続く老舗ブランドです。ラバッツアは、イタリアでもかなりのシェアをほこり、世界中から厳選されたコーヒー豆を使用しています。深いコクの中にもコーヒー本来の甘みを感じることができ、イタリア本来のコーヒーを味わいたい方にはオススメです。

 

ーまとめ

イタリアでは様々な種類のコーヒーが様々な飲み方で嗜まれています。日本では馴染みのないコーヒーもあるので、ご興味のある方は、ぜひ本場イタリアでその味を楽しんでみてください。

 

知る人ぞ知るイタリアンスイーツ16選

イタリアといえば世界に誇る美食の国ですが、実は料理だけでなく、スイーツも非常にバラエティに富み、絶品が揃っているんです。日本でも定番のものから隠れた逸品まで、おすすめのイタリアンスイーツ16選をご紹介します。

 

ーティラミス

ティラミスは、日本でもよく知られているイタリアンスイーツで、ベネトが発祥です。スポンジケーキにエスプレッソを染み込ませ、カスタードソースとマスカルポーネチーズを混ぜたクリームを入れ、仕上げにココアパウダーを振りかけて作ります。本場イタリアでは、フルーツや野菜が用いられることもあります。

ちなみにティラミスはイタリア語でtira(引っ張って)mi(私を)su(上へ)と綴り、「私を元気づけて」という意味を持つケーキです。

 

ーパンナコッタ

パンナコッタは、生クリームをたっぷり使った、口当たりのよいイタリアンスイーツです。イタリア語でパンナ(生クリーム)コッタ(煮る)という意味を持ち、生クリーム、牛乳、砂糖を混ぜたものを、ゼラチンやデンプンで固めて作られます。

生クリームはカロリーが高く高価なことから、日本では無糖練乳で代用されることが多いです。

 

ーカンノーロ

カンノーロはシチリア島を代表する有名なスイーツです。小麦粉ベースの生地を円筒に巻いて揚げ、その中にシチリア特産ワイン、リコッタチーズ、チョコレートなどを混ぜたクリームを詰めて作ります。

カンノーロはもともとイタリア以外の国ではそれほど認知度が高くありませんでしたが、映画『ゴッド・ファーザー』に登場したことで、一気に認識度が高まりました。

 

ースフォリアテッラ

スフォリアテッラは、貝に似た、何層もあるパイ生地の中に、リコッタチーズやカスタードクリーム、アーモンドクリームを入れてオーブンで焼き上げて作ります。本場イタリアでは非常に人気があり、高級リストランテのデザートメニューにも登場します。

もともとはアマルフィ地方の聖ローサ修道院が発祥といわれ、その名にちなんで「聖(サンタ)ローサ」と呼ばれていました。オリジナルはドライフルーツや砂糖、リモンチェッロを入れていましたが、徐々に手が加えられ、現在の形になったのです。

 

ーアマレッティ

アマレッティは、通常のクッキーより軽い食感が特徴のイタリアンスイーツです。小麦粉の代わりにアーモンドパウダーを用いて作る焼き菓子で、一般的なクッキーと違いバターやマーガリン、ショートニングを使いません。なおアマレッティは、フランスで有名な、マカロンの原型となったお菓子です。

 

ージェラート

ジェラートは、日本でも認識度が高いイタリアンスイーツです。フィレンツェが発祥で、果汁や果肉、牛乳、コーヒー、砂糖、香草などを混ぜ、それを凍らせて作ります。シチリアでは、菓子パンに挟んで食べることもあります。

アイスクリームとの違いとして、含まれる空気が少ないため密度が濃く、風味にコクがあります。また乳脂肪分は4%から8%で、アイスクリームよりも低カロリーなことが特徴です(アイスクリームの乳脂肪分は8%以上あります)。

 

ーアフォガート

アフォガートはバニラ味のジェラートに飲み物をかけて食べるイタリアンスイーツです。かける飲み物は主に、エスプレッソや紅茶、リキュールがあげられます。日本では、バニラアイスクリームに、エスプレッソをかけたコーヒーアフォガートが有名です。

 

ースプモーニ

スプモーニは、さまざまな色や風味のアイスクリームを重ね、果物の砂糖漬けやナッツ類を加えて作るイタリアンスイーツです。

一般的には3種類のアイスクリームを使い、主にサクランボ、ピスタチオ、バニラ、チョコレートなどを用います。また赤、緑、茶色の組み合わせで作ることが伝統で、果物やナッツの層に、カットしたサクランボを加えるケースもあります。

スプモーニは日本であまり馴染みがありませんが、米国やアルゼンチンといった、イタリア系移民の多い国で高い人気を誇るイタリアンスイーツです。

 

ーパネトーネ

パネトーネは、イタリア伝統の菓子パンの一種です。パネトーネ種酵母を用いて発酵させた生地の中に、ドライフルーツを混ぜて焼き上げた柔らかい口溶けが特徴。パネトーネは少しトーストして、生クリームやバニラアイスを添えて食べることが一般的です。

 

ーザバイオーネ

ザバイオーネは、ピエモンテ名物のイタリアンスイーツです。卵黄に砂糖を加え、シチリア特産ワイン、スペイン特産ワイン、白ワインなどの洋酒を混ぜて煮詰めたカスタードクリームです。デザートとしてそのまま食べたり、ティラミスに用いられたり、パネトーネに添えられることもあります。

 

ーズゴット

ズゴットは、フィレンツェが発祥のケーキです。ドーム型が特徴で、半解凍させたアイスクリームケーキや、フルーツタルトを用いたイタリアンスイーツとして知られています。

14世紀頃のルネサンス期に誕生しましたが、長い間忘れられていました。しかし1950年代に、フィレンツェの老舗洋菓子店がズゴットのレシピを復元したことで、再び注目を浴びます。

焼いたスポンジケーキにさまざまな洋酒を染み込ませ、ナッツ類、果実の砂糖漬け、リコッタチーズ、ヨーグルトを詰め、型に入れて凍らせます。その後、半解凍にし、粉砂糖、ココアパウダー、チョコレートをかけて食べることが一般的です。

 

ートルタ・カプレーゼ

トルタ・カプレーゼは、カプリ島が発祥のケーキです。チョコレート、アーモンド、バター、砂糖、卵白を混ぜて焼き上げます。

トルタ・カプレーゼの大きな特徴は、小麦粉類を使わずに作ることです。もともとは小さなティーショプで提供されていましたが世界的に有名となり、現在ではさまざまな格式のレストランメニューに加えられるまでになりました。

 

ーババ

ババはオーストリアが起源でその後、イタリアに普及したナポリ名産の焼き菓子です。イースト菌で膨らませた生地を円筒の型に入れて焼き、ラム酒ベースのシロップを染み込ませて作ります。お酒が入っていますが、本場イタリアでは子どもに人気のあるイタリアンスイーツです。

 

ーマチュドニア

マチュドニアは、さまざまな果物を用いて作られた、フルーツポンチのようなデザートです。日本のフルーツポンチと違って甘すぎず、さっぱりとした口当たりが特徴で、イタリアだけでなく、スペイン、フランス、ラテンアメリカなどで人気のあるスイーツです。

 

ーマルチパン

マルチパンは、パレルモ名物の洋菓子です。砂糖と挽いたアーモンドを練って作られ、餡に似た食感が特徴的で、独特の風味があります。

マルチパンは一般的に一口大で、さまざまな形や色のものがあります。野菜、果物、動物、人物といった形が定番ですが、薄く伸ばしてクリームの代用として、ケーキのデコレーションに用いられることもあります。

 

ーモンブラン

モンブランは栗をふんだんに使ったケーキで、日本でもよく食べられています。ピエモンテの家庭菓子が原型とされ、当初は栗のペーストに生クリームを添えただけのものでした。その後、老舗カフェがこれをもとに発展させました。マロングラッセを潰してペースト状にしてかけ、その上にメレンゲ状にしたクリームをかけたのです。これが現在のモンブランとして認識されるようになりました。

最近ではコストを抑えるため、さつまいものクリームや白餡で代用されることもあり、これらもモンブランと呼ばれています。日本ではさつまいも、カボチャ、栗のクリームに抹茶を混ぜたモンブランや、ココアを混ぜたものもあります。

 

ーまとめ

イタリアンスイーツにはティラミスやジェラートのような有名なものだけではありません。非常にバリエーション豊かで、魅力的なスイーツがたくさんあります。スイーツが好きな方は、ぜひイタリアンスイーツの世界を探索してみてはいかがでしょうか。

 

イタリアンの定番肉料理5選

イタリアンには、これは外せない!と言われる定番の肉料理があることをご存知ですか?肉料理はたくさんありますが、その中でも抑えるべき定番の肉料理5つをレシピと合わせてご紹介します。是非とも参考にしていただきたいです。

 

―カチャトーラ

カチャトーラは、イタリアン通にとって外せない肉料理の1つです。イタリア語で狩人を意味し、もともとは狩人が狩りの後に食べる料理でした。イタリアでカチャトーラは、チキンもしくはウサギ肉を使うことが一般的です。

 

香味野菜にトマトソース、白ワインやエキストラヴァージンオイルといった、イタリアン定番の材料と一緒に煮込んで作ります。なお、白ワインを赤ワインに替えても美味しさが損なわれることはありません。またチキンは、骨付きを使うことで、煮込んだ際にしっかりと味がしみこみます。

 

カチャトーラの作り方(4人分)

1…骨付もも肉(1kg)をぶつ切りにし、鍋にオリーブオイルを敷いて皮側から焼きます。焼き色がついたら裏返して鍋から出します。

2…1の鍋に無塩バター(10g)を入れ、にんじん、たまねぎ、セロリ(各1個ずつ)をみじん切りにして入れ、塩適量を振って炒めます。

3…みじん切りした野菜がしんなりしたら、1で焼いた肉を鍋に戻して合わせます。その後白ワイン(200cc)を加え、沸騰したらトマトの水煮缶(400g)を入れます。この際、セージとローズマリー(各適量)も入れます。

4…25分ほど中火で煮込み、ソースに粘度がでてきて沸騰したら完成です。

 

―スペッツァティーノ

スペッツァティーノは、角切りした肉の煮込み料理全般を指します。牛、豚、猪、羊、鳥、うさぎなど、さまざまな種類の肉が使われている料理です。

 

味付けもさまざまです。トマトソースとワインで煮込む時もあれば、香味野菜と水、ハーブのみといった、シンプルに煮込む場合もあります。ワインを使う際、白ワインと赤ワインどちらを使っても美味しく食べることができます。

 

なお、作ってすぐに食べるより、冷蔵庫で3日ほど寝かすことをオススメします。そうすることで、肉にソースがしみこんでより美味しく食べることが可能です。

 

スペッツァティーノとワインを一緒に楽しむ場合は、使ったワインと同じワインを合わせると、一層美味しくいただけます。

 

スペッツァティーノの作り方(4人分)

1…深めの鍋に、みじん切りにした玉ねぎ(2個)とオリーブオイル(適量)を入れて炒めます。

2…シチュー用牛ほほ肉または牛すね肉(800g)を鍋に入れて炒め、小さくカットしたにんじん(4本)とセロリ(7本)を加えて更に炒めます。最後に刻んだイタリアンパセリ(多め)を入れます。

3…肉に火が通ったら白ワイン(600ml)を入れ、アルコール分が飛ぶまで混ぜて火を通します。その後材料が浸るほどたっぷり水を入れます。

4…沸騰したら弱火にし、軽く蓋をします(少しずらしてください)。途中で塩コショウ(適量)を加え、2時間ほど煮込みます。

5…最後に刻んだイタリアンパセリ(多め)を再び入れて完成です。

 

―トリッパのトマト煮込み

トリッパのトマト煮込みは、フィレンツェの伝統料理です。メイン料理にもなり、つまみやソース、サンドイッチなど多彩な食べ方が特徴的な肉料理でもあります。

 

トリッパとは胃袋のことを指します。牛や羊などは胃袋が4つありますが、主にトリッパのトマト煮込みでは「2番目の胃袋」と呼ばれている、ハチノスという部位を使って調理します。

 

香味野菜トマトソースで煮込んだハチノスは、臭みがなく独特のうまみがあります。そのため、もつが苦手な方でも抵抗なく食べることが可能です。パスタとの相性は抜群で、食べきれなくて残ってしまった場合はパスタとからめて食べることをオススメします。

 

トリッパのトマト煮込みの作り方(4人分)

1…ハチノス(1kg)を水で洗って汚れを落とし、深めの鍋に入れて沸騰させます。

2…茹でたハチノスを短冊状にカットしておきます。

3…鍋にオリーブオイル(適量)とカットしたにんにく6片を炒めて香りを出します。

4…みじん切りした玉ねぎ(2個)とにんじん(1本)とセロリ(2本)を入れてしんなりするまで炒めます。

5…鍋にハチノス、トマトソース(2缶)、唐辛子(1本)コンソメの素(3個)、ローズマリー、オレガノ(適量)、ローリエ(2枚)、タイム(適量)、水700ccを入れて沸騰させます。

6…沸騰したら弱火にして2時間煮込み、粉チーズ(大さじ3杯)を加え、さらに20分煮込みます。※焦げないようにたまにかき混ぜます。

7…水分がなくなるまで煮込み、塩コショウで味を整えたら完成です。

 

―タリアータ

タリアータは、イタリアを代表する肉料理です。赤身品種の牛サーロインに、にんにくとハーブを効かせて焼き上げます。見た目の豪勢さに加え、香ばしい香りが食欲をそそる特徴がある、フィレンツェの伝統料理です。

 

本来は、焼きあがったタリアータにオリーブをたっぷりかけて食べるため、一見するとガッツリ系の料理です。一方、削ったパルミジャーノ・レッジャーノ、バルサミコソースをかけて、サッパリとしたサラダ風にして食べるスタイルも人気があります。タリアータには、赤ワインと一緒に食べることをオススメします。

 

タリアータの作り方(4人分)

※赤身牛サーロイン(600g)は、焼く一時間前に冷蔵庫から出して室温に戻しておきましょう。にんにく(1片)はカットし、ローズマリーは葉を外しておきます。フライパンは2つ用意します。

 

1…フライパンにオリーブオイル(適量)を入れ弱火で熱し、にんにくとローズマリーを入れて炒めます。

2…もう1つのフライパンにオリーブオイルを敷いて、肉の両面を強火で焼きます。なお焼き目をつけることが目的のため、1分程度にとどめます。

3…肉に焼き色がついたら1のフライパンに移し、中火で2分ほど炒めます。

4…肉が焼けたら取り出し、アルミをかぶせて10分置き、予熱で火を通します。

5…10分置いたら薄くスライスし、塩コショウ(適量)をして皿に乗せます。

6…皿に並べた肉に、フライパンに残っているオリーブオイルをかけ、レモンを絞ったら完成です。

 

 

―ポルペッテ

ポルペッテは、ゴルフボール大のミートボールまたはハンバーグのひき肉料理を指します。その見た目は、日本の子どもが好んで食べているミートボールに似ています。しかしポルペッテは、リストランテのような格式高いお店でも提供されている、れっきとしたイタリアンです。残ったソースはパンですくっても美味しいですし、パスタにもよく合います。

 

ポルペッテの作り方(4人分)

1…深めのボウルを用意し、合いびき肉(500g)、卵(2個)、パン粉(50g)、みじん切りにした玉ねぎ(1個)、にんにく(半個)、イタリアンパセリ(適量)、パルミジャーノ・レッジャーノ(30g)全てを入れて混ぜ合わせます。

2…塩コショウ(適量)で味を整え、ゴルフボール大に丸めます。

3…フライパンにオリーブオイル(適量)を入れて丸めたポルペッテを炒めます。途中で白ワインをまわし入れます。

4…ワインのアルコール分を強火で飛ばしたら、中火で焦げ目がつくまで火を通します。

5…バター(適量)を加えて好みの味にしたら完成です。

 

 

―まとめ

イタリアンというと、野菜や魚介といった南イタリア料理のイメージが強いため、肉料理が多くて驚いた方もいるかもしれません。今回ご紹介した肉料理を抑えておけば、立派なイタリアン通になること間違いなしです。

 

イタリアンの定番魚介料理6選

イタリアンには様々な魚介料理が存在します。そのため、「魚介系のイタリアンが食べたい」と言われても、困ってしまうのではないでしょうか。そういったときにもスムーズに食べたいものを提案できるように、イタリアンの定番魚介料理6つをご紹介いたします。

 

―アサリの白ワイン蒸し

日本でも食べられることが多く、もはや説明不要と言っても過言ではないアサリの白ワイン蒸し。イタリアの魚介料理においても、定番の1つにあげられます。余計な味付けは必要なく、最もシンプルに、白ワイン蒸しでいただくことが鉄板です。残ったスープは、パンにつけて食べることをオススメします。

 

アサリの白ワイン蒸しの作り方(4人分)

※本来はアラヌノメという品種を使いますが、普通に販売しているアサリでも問題ありません。あらかじめアサリは砂抜きして洗っておきます。

 

1…深めの鍋にオリーブオイル(大さじ3杯)と、カットしたにんにく(1片)を入れて弱火で炒めます。

2…にんにくの香りが漂ってきたら、アサリをゆっくり鍋に入れ、白ワイン(1カップ)と刻んだイタリアンパセリ(3枝)を加えて蓋をし、中火で1分ほど蒸し焼きにします。アサリの殻が開いたら火を止めます。なお、アサリの大きさによって多少時間が異なりますので、調整しましょう。

3…蒸し焼きでしみでたスープと共にアサリをお皿に乗せ、コショウとレモン汁(適量)を振ったら完成です。

 

―マグロのたたき スコッタート

スコッタートはイタリア語で「やけどをする」という意味を持っています。文字通り、たたきですからマグロを炙って調理することが特徴です。

 

マグロはイタリアでも馴染みのある食材で、毎年5月頃から大規模なマグロ漁が開催されたり、マグロ料理のコンテストが開催されたりするほどの国民食材です。

 

しかし、たたきなどの刺し身は、本来イタリアンではありません。近年における世界的な和食ブームにあやかって創られた、新しいイタリア料理です。そして一般的には、身が白く変色するまで酢に漬け込む特徴がありましたが、現在では軽く漬けた調理法が人気となっています。

 

マグロのたたき スコッタートの作り方(4人分)

1…刺身用マグロの柵(200g)をそのまま水洗いし、キッチンペーパーで水気を取り、にんにく(4分の1)を包丁の腹で押しつぶします。レモン(4分の1)をクシ型にカットし、イタリアンパセリ(5枚)は葉をみじん切りにします。

2…フライパンにオリーブオイル(適量)を敷いて弱火で炒め、にんにくを入れます。

3…にんにくの香りが出たらマグロの柵を入れ、中火で軽く焼き目を入れます。

4…焼き色がついたら取り出して粗熱を取り、厚めにカットし、皿に並べたうえでオリーブオイルをかけて冷蔵庫で冷やします。

5…冷えたら取り出し、岩塩とコショウ(各適量)で味付けし、ベビーリーフとパセリ(各適量)を添えます。食べる直前にレモン汁(適量)をかけたら完成です。

 

―タコのサルサヴェルデ添え パドヴァ風

ヴェネド州のパドヴァ地方では屋台の名物料理としてよく知られています。柔らかく茹でたタコに、イタリアンパセリ、オリーブオイルベースのサルサヴェルデ、レモンをかけることが定番です。

 

この料理の決め手は、サルサヴェルデ。さっぱりした風味はワインだけでなく、キンキンに冷えたビールとの相性も抜群です。

 

タコのサルサヴェルデ添え パドヴァ風の作り方(4人分)

1…イタリアンパセリの葉(30枝)とにんにく(2分の1)を粗くきざみ、アンチョビ(1尾)、塩漬けケイパー(大さじ1杯)、オリーブオイル(大さじ4杯)、ワインビネガー(小さじ1杯)、塩コショウ(少々)。以上の材料全てをペースト状になるまで混ぜてサルサヴェルデを作ります。

2…深めの鍋にたっぷりの水を入れ、蒸しマダコ(400g)、塩(少々)、皮付きのレモン(半個)、ローリエ(1枚)、残ったイタリアンパセリの茎を入れて蓋をして、弱火で1時間茹でます。

3…熱いうちに一口大にカットし、先ほどのサルサヴェルデをかけ、レモン(半個)を絞れば完成です。

 

 

―ズッパ・ディ・ペッシェ

ズッパ・ディ・ペッシェは、一見すると高級料理に見えますが、魚のごった煮です。イタリアでは、漁師が売れ残った魚を使って作られている料理です。ズッパ・ディ・ペッシェの特徴は、魚をトマトと白ワインで煮るだけのシンプルなことがあげられます。寒い季節には白ワインと一緒にいただくことで、身体があたたまります。

 

ズッパ・ディ・ペッシェの作り方(4人分)

1…玉ねぎ、セロリ(各1個)、にんじん(半分)を粗く刻みます。白身魚(4切れ、種類は好みで)は、一口大にカットして熱湯を懸けておきます。またホタテ貝柱刺し身用(8個)は半分に切っておきます。

2…深めの鍋にオリーブオイル(適量)、細くカットしたにんにく(1片)、たかのつめ(1本)を入れて火にかけます。

3…にんにくの香りが立ったら、刻んでおいた野菜、ローリエ(1枚)を入れて蓋をして、弱火で10分蒸し焼きにします。

4…野菜がしんなりしたら白ワイン(100cc)を入れ、白身魚とイカ(200g)あさり(300g)、トマトの水煮缶(200cc)を入れて強火で沸騰させます。

5…一度沸騰したら中火で5分煮込み、あさりの口が開いたら更に弱火で5分煮込みます。

6…火が通ったら塩コショウ(少々)で味を整え、器に盛ってフレッシュバジルの葉(適量)を散らして完成です。

 

―ティエッラ

ティエッラは、プーリア州バーリ発祥の名物料理です。イタリア語で天板を意味し、方言で「テリア」とも呼ばれています。ティエッラは、「ムール貝の数の多さで貧富がわかる」と、少々きつめのジョークがあることで知られています。

 

ティエッラの作り方(4人分)

※ムール貝が苦手な場合、アサリとイカで代用することも可能です。またペコリーノ・カネストラートは、パルミジャーノ・レッジャーノで代用できます。

 

1…硬質小麦(100g)を1時間水に浸しておきます。

2…パンのクラム部分(50g)とおろしたペコリーノ・カネストラート(30g)、刻んだイタリアンパセリ(1房)、塩コショウ(少々)を混ぜます。

3…皮をむいたじゃがいも(300g)を輪切りにし、トマト(2個)、ズッキーニ(1本)、玉ねぎ(1個)も輪切りにします。なおムール貝は開いて片側の殻を除去します。

4…オーブン皿に作ったパン粉を少し散らし、エキストラヴァージンオイル(適量)をかけます。皿の上にじゃがいも、ズッキーニ、トマトを置きます。(順番に重ねることが望ましいです)

5…ムール貝を乗せ、水気を切った硬質小麦を散らし、そのうえから更にじゃがいも、トマト、ズッキーニ、玉ねぎを置きます。

6…残りのパン粉、エキストラヴァージンオイルを振りかけ、材料がひたひたになるまで水を加えます。

7…180℃のオーブンにて、水気がなくなるまで50分弱焼いたら完成です。

 

―タコとじゃがいものサラダ

イタリアではタコの消費が多いため、さまざまなタコ料理があります。その中でもタコとじゃがいものサラダは、イタリアでは定番の料理です。とてもシンプルなことが特徴ですが、タコとじゃがいもが、それぞれの旨味を引き立て合う絶品イタリアンです。

 

タコとじゃがいものサラダの作り方(4人分)

1…深めの鍋で、中サイズのタコを1時間30分茹でます。タコがくたくたになるまで茹でることがポイントです。茹で上がったら、皮をむいて好みの大きさにカットします。

2…別に用意した鍋で、じゃがいも(4個)をゆで、やわらかくなったら取り出し、皮を向いて3cmの輪切りにします。

3…ボウルを用意し、タコとじゃがいも、エキストラヴァージンオイル、塩コショウ、イタリアンパセリ(各適量)、レモン汁(1個分)全てを入れて味を整えたら完成です。

 

―まとめ

イタリアンは、魚介が主役と言っても過言ではありません。また、食材そのものの味を重視している傾向にあります。そのためシンプルですから、料理が苦手な方でも作りやすいでしょう。今回の内容を参考に、挑戦してみてはいかがでしょうか。

イタリア料理に欠かせない!定番調味料23選

素材の味を重視するイタリア料理では、その魅力を引き立てるためにさまざまな調味料が用いられています。今回は、本場イタリアでも使われている定番調味料のご紹介ですイタリア料理を作る際の参考となれば幸いです。

 

ーオイル類

エキストラヴァージンオイル

エキストラヴァージンオイルは、イタリア料理には欠かせない調味料です。オリーブの果実を絞ってろ過しているため、豊かな風味が特徴。加熱すると風味が飛んでしまうため、生食に使用することが多く、主にカルパッチョ、サラダ、マリネ、ドレッシングに適しています。

 

ピュア・オリーブオイル

ピュア・オリーブオイルは、精製オリーブオイルにヴァージンオイルをブレンドして、料理しやすい風味に調整したものを指します。クセのない風味が特徴で、エキストラヴァージンオイルよりも日本人の味覚に適しています。加熱して使うことが多く、パスタやフライ、炒め物によく使われます。

 

ーお酒

白ワイン

イタリア料理で白ワインは、調味料の定番にあげられます。そのまま飲むだけでなく、焼き物、炒め物、煮込み料理に至るまで、万能と言っても過言ではない調味料です。

 

赤ワイン

白ワインほど使われることはありませんが、コクのあるソースや、固い肉を煮込む際に欠かかすことはできません。

 

マルサラ酒

マルサラ酒は、シチリア特産のワインです。ワインにアルコールを加えることで、アルコール度数を高めたことが特徴。木樽で作られた豊かな香りを活かし、ティラミスなどの風味付けや、鶏肉料理に用いられています。

 

 

ー乳製品

パルメザンチーズ

パルメザンチーズも、イタリア料理では定番の調味料。安価で長持ちする特徴があり、一般的には「パルミジャーノ・レッジャーノ風」として用いられています。主にサラダや、カルボナーラなどのパスタに使われることが多いです。

 

バター

バターは肉、野菜問わず相性が良く、サラダ、煮込み料理、肉料理、パスタなど、幅広く使われています。特にイタリア北部の地方で多く用いられる傾向があります。

 

ービネガー(酢)

ワインビネガー

ワインビネガーはアルコール発酵させたぶどうに酢酸酢を加え、さらに発酵させてから作られた酢を指し、イタリア料理には欠かせない調味用です。ワインと同じく、赤ワインビネガーと白ワインビネガーの2種類があります。

 

赤ワインビネガーはコクのある深い味わいが特徴で、煮込み料理、肉料理のソースによく使われます。一方、白ワインビネガーは、すっきりとした口当たりの特徴を活かし、魚介類のサラダ、マリネ、ソースに用いられることが多いです。

 

バルサミコ酢

バルサミコ酢は煮詰めたぶどう果汁を熟成させて作る酢です。素材の異なる樽に移し変えて熟成させるため、複雑な香りを持つことが特徴です。サラダの香りつけに使われますが、食酢と混ぜて肉料理のソースに使われたり、デザートの味付けに使われたりもします。

 

ー香草・香辛料・スパイス

イタリアンパセリ

イタリアンパセリは、爽やかな香りと少し苦味のあるハーブで、日本では料理を引き立てる飾りとして認識されています。しかしイタリアでは、サラダの材料として用いられるほか、マリネ、スープなどにも使われ、料理に欠かせません。

 

ローリエ

ローリエは、月桂樹の葉を乾燥させた調味料です。非常に香りが強く、肉の臭みを消す働きがあるため、煮込み料理によく使われます。しかし、長時間煮込むと苦味が出てくるため、取扱には注意が必要。また、ダシやソース、香り付けに用いられる場合もあります。

 

バジル

バジルは、イタリアでバジリコとも呼ばれているハーブの一種。モッツアレラチーズやトマトなど、イタリアンの代表的な食材と相性が良いため、様々な料理に用いられます。

 

ジェノベーゼ

ジェノベーゼはペースト状にしたバジルに、チーズ、松の実、オリーブオイル、黒胡椒を加えた調味料です。イタリア料理では主にパスタやトーストしたパンに使われることが多いです。

 

ローズマリー

ローズマリーは、独特の強い香りが特徴のハーブです。豚肉、羊肉、魚といった、臭いが強い食材の臭みを消すために用いられることもあれば、じゃがいもや鶏肉のような、淡白な食材の風味漬けとしても活躍します。

 

オレガノ

オレガノは、トマトソースとの相性が抜群のハーブで、主にトマトソースベースのパスタ、ピザ、煮込み料理に用いられます。また肉や魚の臭い消しにも効果があり、焼き物や炒め物など、幅広く使われています。

 

タイム

タイムは、清々しい香りが特徴のハーブで、ギリシャ語で防腐の意味を持ちます。肉、魚、トマトとの相性がよく、煮込み料理、香草焼きに使われます。特に魚との相性は抜群で、「魚のハーブ」とも呼ばれるほど。

 

ミント

日本でもよく知られているミント。爽快感が強い風味が特徴のハーブで、野菜や果物との相性が良く、サラダ、デザートに用いられます。

 

レモン

イタリアはレモンの産地として有名で、イタリア料理では欠かせない存在。肉料理、魚料理、パスタ、サラダなど、様々な料理の味を引き立てることに用いられます。

 

唐辛子

唐辛子は、強い辛味が特徴の香辛料です。イタリア料理では、煮込み料理、炒め物、焼き物、パスタ、スープなど、幅広く使われています。

 

ナツメグ

ナツメグは、甘みと強い香りが特徴の香辛料。肉の臭みを消す働きが強いため、イタリアの肉料理には欠かせません。乳製品を使った料理との相性も抜群で、臭いを抑え、コクを深くしてくれます。

 

一般的にも料理の味付けとして広く用いられる塩ですが、イタリアにおいては用途に応じ、特徴的に使い分けられます。パスタを茹でる時や、ステーキといった大胆な料理には、グロッソと呼ばれる大きい粒を使います。一方、繊細な味付けをもとめられる料理には、フィーネと呼ばれる通常の粒を用います。

 

コショウ

爽快な香りと強い辛味が特徴の香辛料です。イタリア料理では、下ごしらえから仕上げまで用いられ、これがなくては始まりません。肉料理、魚料理、スープ、リゾット、ソースなど、調味料の主力的存在です。

 

ーその他

ハチミツ

ハチミツはチーズとの相性がよいため、ピザ、パスタ、肉料理など、イタリアンでは様々な料理に用いられます。

 

ーまとめ

調味料は料理の特徴が最もあらわれる食材の一つです。イタリアンは特徴的な調味料が多く、また一般的なものでも上手にイタリアならではの食材と組み合わせて用いられています。イタリア料理を作る際には、ぜひ参考にしてみてください。

 

ワインだけじゃない!イタリアのおすすめのお酒

イタリアといえば、ワインのイメージを持っている方も多いのではないでしょうか?しかし本場イタリアには、デザート代わりに飲まれているものから地ビールまで、さまざまな種類のお酒があります。今回は、マニアックなものも含め、ワイン以外のイタリアのおすすめのお酒をご紹介します。

 

ーアマレット

アマレットは、アーモンドに似た香りが特徴のリキュールです。アンズの種を原料としており、独特の香りと強い甘み、ほろ苦さがあります。イタリアでは、主に食後酒として飲まれており、デザート代わりに飲む人もいます。カクテルにもよく用いられるので、日本でもおなじみですね。

 

ーアペロール

アペロールは1919年に誕生した、オレンジがベースのリキュール。アペロールは、イタリア語で食前酒を意味するアペリティフが由来です。

イタリアでは食前酒として飲まれており、赤味を帯びたオレンジ色が特徴で、アルコール度数は11度です。ほとんどの場合、炭酸水、オレンジジュース、白ワイン、シャンパンと混ぜた、カクテルタイプとして提供されます。

 

ーサンブーカ

サンブーカは、アルコール度数が40度とかなり高いことが特徴のリキュールです。ハーブの一種である、エルダーを用いて作られ、イタリアでは食後酒としてよく飲まれています。

サンブーカには非常に特徴的な飲み方があります。ショットグラスに注いだサンブーカに、焙煎したコーヒー豆を浮かべて火をつけ、しばらく炎を楽しみ、火を消してから飲みます。これはイタリアでイベントの時によく行われる飲み方です。ちなみに、このように飲むサンブーカを、サンブーカ・コン・モスカと呼びます。

 

ーカンパリ

カンパリは、ほどよい苦味とさわやかな口当たりが特徴のリキュールです。原料はビター・オレンジピール、コリアンダーやカルダモン、キャラウエイなどのハーブ。キレイな赤色でアルコール度数は25度と、やや高めです。カンパリの発祥はトリノで、1860年に当時バーテンダーをしていた、ガスパーリ・カンパーリによって作られました。

イタリアでは、主にカクテルで用いられるほか、ストレートや白ワインで割って飲まれています。アマレットと同じく、日本でもカクテルでよく知られるお酒ですね。

 

ーグラッパ

グラッパは、イタリア特産のブランデーの一種です。一般的なブランデーと違い、ぶどうの搾りかすを発酵させたものを蒸留して作ります。無色透明で、アルコール度数は30度から60度と、非常に高いことが特徴です。

日本ではあまり知られていませんが、イタリアでは人気が高く、食後酒としてよく飲まれています。

 

ーリモンチェッロ

リモンチェッロは、レモンを用いて作られる、ナポリ発祥のリキュール。イタリアでは、食後酒としてもっとも人気があります。甘くて口当たりが良い一方、アルコール度数は30度以上と高めです。よく冷やしたうえで、食後にショットグラスに入れて一気飲みするのがイタリア流。

またイタリアの名産品として世界中に知られており、日本でも簡単に入手しやすいことが特徴です。

 

ーガリアーノ

ガリアーノは、トスカーナ州で1897年に誕生したリキュールです。液色は黄色で、アルコール度数は35度あります。95%以上の蒸留酒に、バニラビーンズ、主種類のハーブを混ぜて蒸留を何度も重ねて作られます。

 

ーマラスキーノ

マラスキーノは、イタリア北部トリエステの名産として知られています。もともとは、イタリアの向かい側にあるダルマチア地方で、「神のお酒」として伝統的に作られていたものです。サクランボの種を潰したものを原料とし、アーモンドに似た香りが特徴的なリキュールです。なお日本では、「チェリー・ブランデー」としてマラスキーノが飲まれています。

 

ーノチェロ

ノチェロは、クルミを使ったリキュール。アルコール度数95度以上の蒸留酒に、未成熟のクルミを砕いたものを入れ、シュガーシロップと水を加えて作られます。アルコール度数は24度で、ストレートで飲んだり、エスプレッソやカプチーノに加えてカクテルで飲んだりします。またアイスクリームやスポンジケーキに用いられたりします。

 

ーフランジェリコ

フランジェリコは、ヘーゼルナッツを原料としたリキュールです。ナッツ類を原料とするリキュールの中で、もっとも歴史が長いことが特徴です。300年以上前のピエモンテ州とリグリア州境の山中で、僧だったフラ・アンジェリコが作ったのがはじまりとされています。

カクテルとして飲まれているほか、お菓子やコーヒーに使われまた、ナッツの香ばしい香りを活かしてチョコレート、生クリームと合わせて用いられています。

 

ーストレガ

ストレガは、1860年にイタリアのベネヴェントで、ジュゼッペ・アルベルティによって作られたリキュールです。なお製造法は非公開のため、正確なことはわかっていません。判明しているのは、アルコール度数40度であり、砂糖、ハーブ、サフラン、水が材料であることです。

 

ーヴェネチアビール

ヴェネチアビールは、その名の通りヴェネチアの地ビールです。苦味は控えめながらもコクがあり、イタリアンピッツァとの相性は抜群。イタリアでは主に、若い世代を中心に飲まれています。また日本のおつまみとの相性も良いため、一部のビール好きの間で、ひそかな人気をほこっています。

 

ーメッシーナビール

メッシーナビールは、シチリアで誕生したビールです。爽やかな風味とドライな飲み口特徴で、シーフードやサラダとの相性が抜群です。日本ではそれほど馴染みはありませんが、ビール好きなら知っている1品。

 

ーまとめ

本場イタリアには、思った以上にさまざまなお酒があって驚かれた方もいることでしょう。日本ではあまり知られていないものもありますが、それらもイタリアでは、日常的に飲まれています。現在ではネットが普及しているため、入手できるお酒もあります。これを機会に、飲んでみてはいかがですか?

 

イタリアっ子も大絶賛!イタリアンで飲みたいおすすめ食前酒

イタリア料理には食前酒を飲むことが多いですが、「はじめの一杯は何を飲めばいいのかわからない」と思ったことはありませんか?食前酒は決してファッション感覚で飲むものではなく、料理をより楽しむことが目的です。選ぶ際に迷うことがないように、イタリアで食前酒の定番の数々を、選び方も含めてご紹介していきます。

 

―適切な食前酒を選ぶことで、料理をより美味しく楽しめます

食前酒を飲む目的は、大きく分けて2つあります。まず1つ目は、胃を適度に刺激して食欲を増進させること。もう1つは、前菜が提供されるまでの場しのぎです。そのため、始めからアルコール度数の高いものを飲んでしまうと胃を痛めてしまい、また酩酊状態で料理の味がわからなくなる恐れがあります。

 

食前酒は、アルコール度数が低く、甘すぎず、すっきりした口当たりのものを選ぶことが大切です。以上をふまえ、食前酒で是非、飲んでいただきたいものをご説明します。

 

―カクテル

アペロール

アペロールは、イタリア発祥のカクテルです。赤みが強いオレンジ色で、アルコール度数は11度。ビターオレンジやスイートオレンジに、ハーブをブレンドしたものです。さっぱりとした口当たりと、ハーブ特有のさわやかな香りが特徴で、食前酒に適している一品です。オレンジベースのため、オレンジジュースや白ワイン、シャンパンとの相性も抜群です。

 

カンパリ

カンパリは、苦味があり、鮮やかな赤色が特徴のカクテルです。日本でも居酒屋やバーでよく見かけますが、イタリアでも人気のある食前酒です。カンパリ自体のアルコールは25度と高めですが、一般的にソーダや白ワイン、果実を絞ったものと割って飲まれます。

 

スプリッツ

スプリッツは本場イタリアで、もっとも人気があるといっても過言ではない食前酒です。アペロールやカンパリに白ワインもしくはスパークリングワインを加えたうえに、スライスしたオレンジ、オリーブの実を入れて作られます。北イタリアのヴェネト州では、食前酒の代名詞的な存在として飲まれています。なお、甘みのあるスプリッツを飲みながら、オリーブの実を食べるのが王道です。

 

モヒート

モヒートは、ラム酒がベースのカクテルです。もともとはイギリスの海賊が考えたお酒で、イタリアでは食前酒として人気のある一品です。たっぷりのフレッシュミントにラム酒、ライム、砂糖を加えて作ります。フレッシュミントの爽やかさと、ややアルコール度数が強いことが特徴なため、お酒が苦手な方は避けたほうが無難かもしれません。

 

ネグローニ

ネグローニは、カンパリ、ベルモット、ドライ・ジンを混ぜて作られたカクテルです。名前の由来は、フィレンツェの老舗リストランテの常連客で美食家として有名だったカミーロ・ネグローニ伯爵が食前酒として飲んでいたことから来ています。ベルモットの甘さとドライ・ジン、カンパリのほろ苦さがほどよく合い、辛口のカクテルとして男性に人気があります。またドライ・ジンの代わりにスパークリングワインで割ったものをネグローニ・ズバリアートと呼び、こちらも人気の一品です。

 

ジントニック

ジントニックは、ジンベース(ライ麦、大麦、ジャガイモが原料の蒸留酒)のカクテルで、イタリアでは食前酒として定番にあげられます。レシピは、ドライ・ジンにトニックウォーターというシンプルさが特徴です。アルコール度数は5%ほどでクセがないため、アルコールが苦手な方でも飲みやすいお酒です。

 

スプモーニ

スプモーニは、イタリアが発祥のカクテルです。カンパリにグレープフルーツジュース、トニックウォーターを混ぜて作られているため、甘酸っぱくてスッキリとした口当たりが特徴です。イタリアでも食前酒として男性、女性問わず人気のあるカクテルです。

 

キール

キールは、白ワインを使ったカクテルで代表的なもので、辛口の白ワインにカシスリキュールを混ぜて作られます。1945年にフランスのブルゴーニュ地方で誕生したお酒ですが、イタリアで人気のある食前酒の1つです。カシスリキュールが少なめに入っているため、辛口の中にもさっぱりとした口当たりがあることが特徴です。アルコール度数は、10度から14度。また氷が入っていないため、白ワインとカシスリキュールを十分に冷やしてから作り、提供されます。

 

―スパークリングワイン

プロセッコ

プロセッコは、イタリアを代表するスパークリングワインで、イタリアで食前酒として飲むのは習慣と言っても差し支えないほどの人気です。もともとはブドウの品種でしたが、後にこの品種を使って作られたスパークリングワインを指すようになりました。辛口でキレのある発泡が特徴です。

 

ベリーニ

ベリーニは、ベネツィアで誕生したスパークリングワインです。白桃のピューレにスパークリングワイン、ザクロの果汁と砂糖を混ぜたグレナデンシロップを混ぜて作られます。キレイなピンク色をしており、アルコール度数が低めで甘みもあるため、女性にオススメの食前酒です。

 

フランチャコルタ

フランチャコルタは、ロンバルディア州・フランチャコルタが発祥のスパークリングワインです。イタリアでは食前酒として定番にあげられます。「フランチャコルタの奇跡」とも呼ばれ、イタリア高級ワインの代名詞的として高く評価されているほど。特徴である、きめ細かな泡と苦味が食欲を増進します。

 

アスティ・スプマンテ

アスティ・スプマンテは、ピエモンテ州で誕生したスパークリングワインで、白ワインがベースとなっています。モスカート・ダスティというマスカット品種を使って作られているため、上品な甘さと口当たりが良いことが特徴です。辛口なお酒が苦手な女性にオススメの一品で、迷ったらこれを選ぶとよいでしょう。

 

ランブルスコ

ランブルスコは、イタリアでもっとも料理が美味しいとされる、エミリア・ロマーニャ州で作られたスパークリングワインです。白ワインがメインのスパークリングの中でも珍しい、赤ワインのスパークリングワインです。最近では品質の向上が目覚ましいとして注目を集め、食前酒として人気があります。独特の渋みとフレッシュな酸味が特徴です。

 

トレント

トレントは、イタリア最北端トレンティーノ・アルト・アディジェ州で誕生したスパークリングワインです。シャルドネ、ピノ・グリージョなどの白ぶどうをメインに使い、昔ながらの瓶内二次発酵式で造られています。柑橘系とナッツの香りが混じっていることが特徴で、酸味とミネラルのバランスが良く、持続性がある泡との相性が抜群の一品です。

 

―その他

マティーニ

マティーニはカクテルの王様とも呼ばれ、イタリアでは食前酒として定番です。しかしアルコール度数が20度を超えるため、お酒な得意な方以外が飲むことは避けたほうが無難です。あくまでも「イタリアでは定番のもの」として頭に入れておいても良いでしょう。

 

―まとめ

以上のようにイタリアで定番の食前酒は、その後の食事のことを考えた上で選ばれ、飲まれています。イタリアンを最大限に楽しみたいと考えている方にとっては、どれもハズレのないものばかりです。是非参考に、あなただけの一杯を見つけていただければと思います。