イタリアンの定番魚介料理6選


イタリアンには様々な魚介料理が存在します。そのため、「魚介系のイタリアンが食べたい」と言われても、困ってしまうのではないでしょうか。そういったときにもスムーズに食べたいものを提案できるように、イタリアンの定番魚介料理6つをご紹介いたします。

 

―アサリの白ワイン蒸し

日本でも食べられることが多く、もはや説明不要と言っても過言ではないアサリの白ワイン蒸し。イタリアの魚介料理においても、定番の1つにあげられます。余計な味付けは必要なく、最もシンプルに、白ワイン蒸しでいただくことが鉄板です。残ったスープは、パンにつけて食べることをオススメします。

 

アサリの白ワイン蒸しの作り方(4人分)

※本来はアラヌノメという品種を使いますが、普通に販売しているアサリでも問題ありません。あらかじめアサリは砂抜きして洗っておきます。

 

1…深めの鍋にオリーブオイル(大さじ3杯)と、カットしたにんにく(1片)を入れて弱火で炒めます。

2…にんにくの香りが漂ってきたら、アサリをゆっくり鍋に入れ、白ワイン(1カップ)と刻んだイタリアンパセリ(3枝)を加えて蓋をし、中火で1分ほど蒸し焼きにします。アサリの殻が開いたら火を止めます。なお、アサリの大きさによって多少時間が異なりますので、調整しましょう。

3…蒸し焼きでしみでたスープと共にアサリをお皿に乗せ、コショウとレモン汁(適量)を振ったら完成です。

 

―マグロのたたき スコッタート

スコッタートはイタリア語で「やけどをする」という意味を持っています。文字通り、たたきですからマグロを炙って調理することが特徴です。

 

マグロはイタリアでも馴染みのある食材で、毎年5月頃から大規模なマグロ漁が開催されたり、マグロ料理のコンテストが開催されたりするほどの国民食材です。

 

しかし、たたきなどの刺し身は、本来イタリアンではありません。近年における世界的な和食ブームにあやかって創られた、新しいイタリア料理です。そして一般的には、身が白く変色するまで酢に漬け込む特徴がありましたが、現在では軽く漬けた調理法が人気となっています。

 

マグロのたたき スコッタートの作り方(4人分)

1…刺身用マグロの柵(200g)をそのまま水洗いし、キッチンペーパーで水気を取り、にんにく(4分の1)を包丁の腹で押しつぶします。レモン(4分の1)をクシ型にカットし、イタリアンパセリ(5枚)は葉をみじん切りにします。

2…フライパンにオリーブオイル(適量)を敷いて弱火で炒め、にんにくを入れます。

3…にんにくの香りが出たらマグロの柵を入れ、中火で軽く焼き目を入れます。

4…焼き色がついたら取り出して粗熱を取り、厚めにカットし、皿に並べたうえでオリーブオイルをかけて冷蔵庫で冷やします。

5…冷えたら取り出し、岩塩とコショウ(各適量)で味付けし、ベビーリーフとパセリ(各適量)を添えます。食べる直前にレモン汁(適量)をかけたら完成です。

 

―タコのサルサヴェルデ添え パドヴァ風

ヴェネド州のパドヴァ地方では屋台の名物料理としてよく知られています。柔らかく茹でたタコに、イタリアンパセリ、オリーブオイルベースのサルサヴェルデ、レモンをかけることが定番です。

 

この料理の決め手は、サルサヴェルデ。さっぱりした風味はワインだけでなく、キンキンに冷えたビールとの相性も抜群です。

 

タコのサルサヴェルデ添え パドヴァ風の作り方(4人分)

1…イタリアンパセリの葉(30枝)とにんにく(2分の1)を粗くきざみ、アンチョビ(1尾)、塩漬けケイパー(大さじ1杯)、オリーブオイル(大さじ4杯)、ワインビネガー(小さじ1杯)、塩コショウ(少々)。以上の材料全てをペースト状になるまで混ぜてサルサヴェルデを作ります。

2…深めの鍋にたっぷりの水を入れ、蒸しマダコ(400g)、塩(少々)、皮付きのレモン(半個)、ローリエ(1枚)、残ったイタリアンパセリの茎を入れて蓋をして、弱火で1時間茹でます。

3…熱いうちに一口大にカットし、先ほどのサルサヴェルデをかけ、レモン(半個)を絞れば完成です。

 

 

―ズッパ・ディ・ペッシェ

ズッパ・ディ・ペッシェは、一見すると高級料理に見えますが、魚のごった煮です。イタリアでは、漁師が売れ残った魚を使って作られている料理です。ズッパ・ディ・ペッシェの特徴は、魚をトマトと白ワインで煮るだけのシンプルなことがあげられます。寒い季節には白ワインと一緒にいただくことで、身体があたたまります。

 

ズッパ・ディ・ペッシェの作り方(4人分)

1…玉ねぎ、セロリ(各1個)、にんじん(半分)を粗く刻みます。白身魚(4切れ、種類は好みで)は、一口大にカットして熱湯を懸けておきます。またホタテ貝柱刺し身用(8個)は半分に切っておきます。

2…深めの鍋にオリーブオイル(適量)、細くカットしたにんにく(1片)、たかのつめ(1本)を入れて火にかけます。

3…にんにくの香りが立ったら、刻んでおいた野菜、ローリエ(1枚)を入れて蓋をして、弱火で10分蒸し焼きにします。

4…野菜がしんなりしたら白ワイン(100cc)を入れ、白身魚とイカ(200g)あさり(300g)、トマトの水煮缶(200cc)を入れて強火で沸騰させます。

5…一度沸騰したら中火で5分煮込み、あさりの口が開いたら更に弱火で5分煮込みます。

6…火が通ったら塩コショウ(少々)で味を整え、器に盛ってフレッシュバジルの葉(適量)を散らして完成です。

 

―ティエッラ

ティエッラは、プーリア州バーリ発祥の名物料理です。イタリア語で天板を意味し、方言で「テリア」とも呼ばれています。ティエッラは、「ムール貝の数の多さで貧富がわかる」と、少々きつめのジョークがあることで知られています。

 

ティエッラの作り方(4人分)

※ムール貝が苦手な場合、アサリとイカで代用することも可能です。またペコリーノ・カネストラートは、パルミジャーノ・レッジャーノで代用できます。

 

1…硬質小麦(100g)を1時間水に浸しておきます。

2…パンのクラム部分(50g)とおろしたペコリーノ・カネストラート(30g)、刻んだイタリアンパセリ(1房)、塩コショウ(少々)を混ぜます。

3…皮をむいたじゃがいも(300g)を輪切りにし、トマト(2個)、ズッキーニ(1本)、玉ねぎ(1個)も輪切りにします。なおムール貝は開いて片側の殻を除去します。

4…オーブン皿に作ったパン粉を少し散らし、エキストラヴァージンオイル(適量)をかけます。皿の上にじゃがいも、ズッキーニ、トマトを置きます。(順番に重ねることが望ましいです)

5…ムール貝を乗せ、水気を切った硬質小麦を散らし、そのうえから更にじゃがいも、トマト、ズッキーニ、玉ねぎを置きます。

6…残りのパン粉、エキストラヴァージンオイルを振りかけ、材料がひたひたになるまで水を加えます。

7…180℃のオーブンにて、水気がなくなるまで50分弱焼いたら完成です。

 

―タコとじゃがいものサラダ

イタリアではタコの消費が多いため、さまざまなタコ料理があります。その中でもタコとじゃがいものサラダは、イタリアでは定番の料理です。とてもシンプルなことが特徴ですが、タコとじゃがいもが、それぞれの旨味を引き立て合う絶品イタリアンです。

 

タコとじゃがいものサラダの作り方(4人分)

1…深めの鍋で、中サイズのタコを1時間30分茹でます。タコがくたくたになるまで茹でることがポイントです。茹で上がったら、皮をむいて好みの大きさにカットします。

2…別に用意した鍋で、じゃがいも(4個)をゆで、やわらかくなったら取り出し、皮を向いて3cmの輪切りにします。

3…ボウルを用意し、タコとじゃがいも、エキストラヴァージンオイル、塩コショウ、イタリアンパセリ(各適量)、レモン汁(1個分)全てを入れて味を整えたら完成です。

 

―まとめ

イタリアンは、魚介が主役と言っても過言ではありません。また、食材そのものの味を重視している傾向にあります。そのためシンプルですから、料理が苦手な方でも作りやすいでしょう。今回の内容を参考に、挑戦してみてはいかがでしょうか。