素材の味を重視するイタリア料理では、その魅力を引き立てるためにさまざまな調味料が用いられています。今回は、本場イタリアでも使われている定番調味料のご紹介ですイタリア料理を作る際の参考となれば幸いです。
ーオイル類
エキストラヴァージンオイル
エキストラヴァージンオイルは、イタリア料理には欠かせない調味料です。オリーブの果実を絞ってろ過しているため、豊かな風味が特徴。加熱すると風味が飛んでしまうため、生食に使用することが多く、主にカルパッチョ、サラダ、マリネ、ドレッシングに適しています。
ピュア・オリーブオイル
ピュア・オリーブオイルは、精製オリーブオイルにヴァージンオイルをブレンドして、料理しやすい風味に調整したものを指します。クセのない風味が特徴で、エキストラヴァージンオイルよりも日本人の味覚に適しています。加熱して使うことが多く、パスタやフライ、炒め物によく使われます。
ーお酒
白ワイン
イタリア料理で白ワインは、調味料の定番にあげられます。そのまま飲むだけでなく、焼き物、炒め物、煮込み料理に至るまで、万能と言っても過言ではない調味料です。
赤ワイン
白ワインほど使われることはありませんが、コクのあるソースや、固い肉を煮込む際に欠かかすことはできません。
マルサラ酒
マルサラ酒は、シチリア特産のワインです。ワインにアルコールを加えることで、アルコール度数を高めたことが特徴。木樽で作られた豊かな香りを活かし、ティラミスなどの風味付けや、鶏肉料理に用いられています。
ー乳製品
パルメザンチーズ
パルメザンチーズも、イタリア料理では定番の調味料。安価で長持ちする特徴があり、一般的には「パルミジャーノ・レッジャーノ風」として用いられています。主にサラダや、カルボナーラなどのパスタに使われることが多いです。
バター
バターは肉、野菜問わず相性が良く、サラダ、煮込み料理、肉料理、パスタなど、幅広く使われています。特にイタリア北部の地方で多く用いられる傾向があります。
ービネガー(酢)
ワインビネガー
ワインビネガーはアルコール発酵させたぶどうに酢酸酢を加え、さらに発酵させてから作られた酢を指し、イタリア料理には欠かせない調味用です。ワインと同じく、赤ワインビネガーと白ワインビネガーの2種類があります。
赤ワインビネガーはコクのある深い味わいが特徴で、煮込み料理、肉料理のソースによく使われます。一方、白ワインビネガーは、すっきりとした口当たりの特徴を活かし、魚介類のサラダ、マリネ、ソースに用いられることが多いです。
バルサミコ酢
バルサミコ酢は煮詰めたぶどう果汁を熟成させて作る酢です。素材の異なる樽に移し変えて熟成させるため、複雑な香りを持つことが特徴です。サラダの香りつけに使われますが、食酢と混ぜて肉料理のソースに使われたり、デザートの味付けに使われたりもします。
ー香草・香辛料・スパイス
イタリアンパセリ
イタリアンパセリは、爽やかな香りと少し苦味のあるハーブで、日本では料理を引き立てる飾りとして認識されています。しかしイタリアでは、サラダの材料として用いられるほか、マリネ、スープなどにも使われ、料理に欠かせません。
ローリエ
ローリエは、月桂樹の葉を乾燥させた調味料です。非常に香りが強く、肉の臭みを消す働きがあるため、煮込み料理によく使われます。しかし、長時間煮込むと苦味が出てくるため、取扱には注意が必要。また、ダシやソース、香り付けに用いられる場合もあります。
バジル
バジルは、イタリアでバジリコとも呼ばれているハーブの一種。モッツアレラチーズやトマトなど、イタリアンの代表的な食材と相性が良いため、様々な料理に用いられます。
ジェノベーゼ
ジェノベーゼはペースト状にしたバジルに、チーズ、松の実、オリーブオイル、黒胡椒を加えた調味料です。イタリア料理では主にパスタやトーストしたパンに使われることが多いです。
ローズマリー
ローズマリーは、独特の強い香りが特徴のハーブです。豚肉、羊肉、魚といった、臭いが強い食材の臭みを消すために用いられることもあれば、じゃがいもや鶏肉のような、淡白な食材の風味漬けとしても活躍します。
オレガノ
オレガノは、トマトソースとの相性が抜群のハーブで、主にトマトソースベースのパスタ、ピザ、煮込み料理に用いられます。また肉や魚の臭い消しにも効果があり、焼き物や炒め物など、幅広く使われています。
タイム
タイムは、清々しい香りが特徴のハーブで、ギリシャ語で防腐の意味を持ちます。肉、魚、トマトとの相性がよく、煮込み料理、香草焼きに使われます。特に魚との相性は抜群で、「魚のハーブ」とも呼ばれるほど。
ミント
日本でもよく知られているミント。爽快感が強い風味が特徴のハーブで、野菜や果物との相性が良く、サラダ、デザートに用いられます。
レモン
イタリアはレモンの産地として有名で、イタリア料理では欠かせない存在。肉料理、魚料理、パスタ、サラダなど、様々な料理の味を引き立てることに用いられます。
唐辛子
唐辛子は、強い辛味が特徴の香辛料です。イタリア料理では、煮込み料理、炒め物、焼き物、パスタ、スープなど、幅広く使われています。
ナツメグ
ナツメグは、甘みと強い香りが特徴の香辛料。肉の臭みを消す働きが強いため、イタリアの肉料理には欠かせません。乳製品を使った料理との相性も抜群で、臭いを抑え、コクを深くしてくれます。
塩
一般的にも料理の味付けとして広く用いられる塩ですが、イタリアにおいては用途に応じ、特徴的に使い分けられます。パスタを茹でる時や、ステーキといった大胆な料理には、グロッソと呼ばれる大きい粒を使います。一方、繊細な味付けをもとめられる料理には、フィーネと呼ばれる通常の粒を用います。
コショウ
爽快な香りと強い辛味が特徴の香辛料です。イタリア料理では、下ごしらえから仕上げまで用いられ、これがなくては始まりません。肉料理、魚料理、スープ、リゾット、ソースなど、調味料の主力的存在です。
ーその他
ハチミツ
ハチミツはチーズとの相性がよいため、ピザ、パスタ、肉料理など、イタリアンでは様々な料理に用いられます。
ーまとめ
調味料は料理の特徴が最もあらわれる食材の一つです。イタリアンは特徴的な調味料が多く、また一般的なものでも上手にイタリアならではの食材と組み合わせて用いられています。イタリア料理を作る際には、ぜひ参考にしてみてください。