ワインといえばフランスというイメージをお持ちの方は少なくないかもしれません。しかし、実はワイン生産量世界一の国はイタリアなんです。様々な品種のぶどうが栽培されているイタリアのワインは非常に多彩な魅力を持ち、日本での人気も年々高まっています。
そんなイタリアンワインの特徴やおすすめの銘柄を紹介しますので、ワイン好きの方はぜひチェックしてみてください。
・イタリアワインの歴史は長い
イタリアワイン造りの歴史は、ワインで有名なフランスよりも長いのです。紀元前12世紀頃に南イタリア・シシリアではすでにワイン用のぶどうが栽培されていました。そして紀元前8世紀には、ワイン造りが一般的なものとなっています。古代ギリシャ人が、イタリア半島を、「ワインの大地」と呼んでいたことからも、イタリアにおけるワイン造りの歴史の長さをうかがい知ることができます。
-イタリアワインの特徴
イタリアワインの特徴は、さまざまなぶどう品種を活かした多様性です。イタリアに存在するぶどうの品種はなんと2,000種類を超えるとされ、政府が公式に認定している品種でも400種類にもおよびます。
ここまで多様性がある理由は、1861年にイタリアが統一されるまで、イタリアにある20州すべてがそれぞれ多種のぶどうを育成していたためです。州ごとに独自の文化が築かれたことも要因となり、現在のような多様性が生まれることとなりました。
また、イタリアンワインはヨーロッパ諸国の中で群を抜いてコストパフォーマンスが高いのも特徴の一つです。もちろん高品質で高級なワインも多数ありますが、手軽に飲めるワインが多く、身近なものとして楽しむのにはうってつけと言えるでしょう。
-イタリアンワインのおすすめ銘柄
・バローロ
バローロは、ピエモンテ州バローロ村で栽培されているネッビオーロ種から造られるワインです。「ワインに歴史や伝統があり、自然と文化をともないかつ、評価が高い」という基準をクリアした銘柄のみに認められるDOCG規格においてもワインの王様と呼ばれ、最上級の評価を受けています。長期熟成すると、深いしぶみをともなった重厚な味わいに仕上がるのが特徴です。
濃いルビー色をしており、重厚さの中にも柔らかさが際立つその飲み口は、肉料理との相性が抜群です。高いアルコール度数も相まって、ワインの王様に恥じない風格を感じることができます。
価格は安いもので3,000円ほどですが、ワインの当たり年に造られたものは、数万円になることもあります。また、バローロは、生産者によって味が異なることもあるので、自分好みの味を見つける楽しみもある銘柄といえます。
・バルバレスコ
バルバレスコはピエモンテ州クーネオ県で生産されているDOCG認定ワインであり、バローロの弟分と呼ばれ、バローロに並んで非常に人気のあるワインです。
バルバレスコの生産規模は小さいですが、繊細さ・優雅さが際立つ味わいにより、多くのイタリアワインファンを魅了しています。主に煮込み料理やロースト、ジビエなどと非常に相性が良いとされ、飲む2時間前に栓を抜いておくことで、ちょうどよい飲み頃になります。
・アスティスプマンテ
アスティスプマンテは、イタリアのアスティやアレッサンドリア、クーネオで生産されているワインで、こちらもDOCG認定ワインです。透明感のある麦わら色で、きめ細やかな泡とやさしい甘みが特徴です。その特徴から、アルコールが苦手な方でも飲みやすいとされ、日本では特に女性から多くの人気を集めているスパークリングワインとなっています。
アスティスプマンテは主に、食事の合間や食前に飲むことに向いているワインです。甘みがあるので、生ハムとの相性は抜群でありまた、ベリー系を使ったケーキ、チーズケーキともよく合います。
・ブルネロ・ディ・モンタルチーノ
ブルネロ・ディ・モンタルチーノは、イタリアのトスカーナ州で造られているワインで、バローロ、バルバレスコに並ぶイタリア三大銘酒として有名なワインです。イタリアワインの女王と呼ばれ、DOCGに初めて認定されたワインとして世界的に認知されました。
ブルネロ・ディ・モンタルチーノと呼ばれるためには、サンジョベーゼの変異種であるブルネッロ種のぶどうを100%使用しなくてはなりません。また最低でも4年間の熟成期間を必要とされるなど、厳しい条件下で生産されているのです。
ブルネロ・ディ・モンタルチーノは、ガーネット色で、繊細なベリーの香りが特徴です。赤身の肉やジビエとの相性はもちろん、熟成されたチーズと楽しむのもおすすめです。
・キャンティ・クラシコ
キャンティ・クラシコは、イタリア最大のDOCGワインの産地であるトスカーナ州キャンティで造られているDOCG認定ワインです。7つあるキャンティワインの中で最も品質が高いとされ、世界中で愛飲されています。
ぶどう種は、サンジョベーゼ種を主として使用して造られています。キャンティ・クラシコは、最低80%はサンジョベーゼを使うことが定められており、残りはカナイオーロ種やトレッビアーノ種となっています。
上記のぶどう種から造られたキャンティ・クラシコの風味は、芳醇な果実の香りと渋み、酸味を感じられる、やや辛口の赤ワインです。赤ワインのため、肉料理との相性が非常に良いです。またキャンティ・クラシコの特徴でもある酸味は、トマトの酸味とも合うため、トマトを使った煮込み料理を美味しく食べることが出来るでしょう。
・ガヴィ
ガヴィはピエモンテ州で造られており、赤ワインの生産量が6割にもおよぶピエモンテ州では珍しい白ワインです。ぶどう種は古くから栽培されている白ぶどうのコルテーゼが使われており、カヴィを名乗るためには、このコルテーゼを100%使って造らなければならないと定められています。
ガヴィは柑橘系の香りを感じられ、繊細な酸味とすっきりとした後味があります。辛口の白ワインのため、魚料理との相性は最高でです。また、ジェノベーゼや海鮮系のパスタにもよく合います。
・フランチャコルタ
フランチャコルタは、イタリアのロンバルディア州にあるフランチャコルタでつくられているDOCG認定のスパークリングワインです。使われているぶどう種はピノ・ビアンコやシャルドネ、ピノ・ネロであり、ピノ・ビアンコを使ってよいのは、50%までと規定があります。
シャンパンに匹敵する品質ですが、フランチャコルタの9割はイタリア国内で消費されてしまうため、世界ではそれほど知られていません。しかし、日本はフランチャコルタの輸入量が世界一なので、ご存知の方は多いかもしれませんね。高品質なスパークリングワインとして、日本人にとても愛されています。
柑橘系とナッツ類の香りを持ち、控えめな酸味と滑らかな味わいのワインです。どんな料理とも相性がよく、前菜からデザートまで幅広く合わせることが可能です。
-まとめ
イタリアは風土による多様性が非常に豊かな国で、それはそのままイタリアンワインにも反映されています。イタリアンワインについて詳しく知るほど、その多彩な個性に魅了されること間違いありません。これまであまり馴染みが無かったという方は、ぜひイタリアンワインの世界に一歩足を踏み入れてみてください。